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明代の文化で観光誘致

旧暦1月4日、歙県徽州府衙(明清代の府の長官の役所)で大型時代劇が上演される

春節の観光シーズン、歙県徽州府衙には、絶え間なく人々が訪れ、明代の知府(往時の府の長官)の役所の古建築を見学した。1.6億元をかけて復元した同役所は、1月25日から31日にかけてプレオープンされ、期間中には、大型時代劇『接任』が上演され、明代の知府の着任、離任に関する歴史的真実の過程が完全に再現された。

往時の役所は、南譙楼、儀門、正堂、二堂、知府廨組などが主な建築物で、明・弘治年間(1488~1505)の建築布陣を史料に基づいて復元し、照壁(表門をはいったところに設ける目隠しの壁)や、鐘楼、承宣坊、旌善亭、申明亭なども含め、規模が広大で堂々たる往時の旧貌を再現している。 今回無料で公開されたのは、役所の中軸線の儀門と二堂までの区域だ。公開期間には、大型時代劇『接任』が初演され、明・弘治年間の徽州知府、張禎の着任、もとの知府の王問の離任の真実の歴史的情景を再現した。

初演の日、役所の広場には、多くの市民がぎっしりと詰めかけ、そのなかには観光客も少なくなかった。演出にあたり、着任の知府の儀仗隊、役所の護衛兵、役所の最下級雇用員、徽州府とその管轄下の六県の官吏が隊を組み、往時の服装を身にまとい、中和街、徽園、人民路、南譙楼などの遺跡、古い通りなどを経て役所まですすみ、広場で引継ぎの全過程を再現した。

この時代劇の新任、離任の知府、そのほかの府県の官吏たちはすべて歴史的に存在した真実の人物だ。引継ぎのそれぞれの順序、官吏たちの服装、長官に接する儀仗隊などは、基本的に歴史的記載に拠っている。「知府が着任すると役所に跪いて拝礼し、管轄区の県の長官への接見し、離任する知府へ申し送りするなどは、これまで知らなかった歴史的知識です」と台湾から訪れた李さんは語る。李さんは、黄山を訪れ、歙県の古村を参観した折、思いがけず素晴らしい時代劇を見ることが出来、幸運をとても喜んでいた。

歙県は、秦代以来、古代の徽州の政治、経済、文化の中心であり、現在は、「国家歴史文化名城」となっている。この役所は、古代の徽州府の象徴であり、2009年4月以来、明・弘治年間の『府治公廨図』に基づいて復元がおこなわれ、建築面積は、2.4ヘクタールである。

孫海燕・歙県党委員会常務委員、宣伝部長によれば、今回の復元は、徽州の古代文化に関する文化プロジェクトを望む民間の声に応えたもので、古村である同県の徽州文化要素を非常に豊かにし、もっとも輝かしい観光スポットとなり、徽州の建築技術のすぐれた例を集中的に示すものである。役所の大型時代劇は、明代の古代建築に生命を吹き込み、観光の内容を豊かにするものである、と語っている。

 

人民中国インターネット版 2012年1月30日

 

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