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「雪郷」を訪ねて――牡丹江の長汀鎮

高原=文 馮進=写真

黒龍江省牡丹江市長汀鎮に位置する双峰林場は、「中国の雪郷」と呼ばれている。山奥にあり、四方が尾根に囲まれ、ほぼ世間から隔離されている状態のためか、以前は地元民ではない人が雪郷に足を踏み入れることはめったになかった。

早朝の雪郷

毎年、雪郷の降雪期は5カ月もの長さに及び、日本海からの暖湿気流とバイカル湖上空からの冷気の影響で大雪となり、積雪の深さは、なんと3.8㍍にも達する。まさに名実の伴った「雪郷」と言えるだろう。

至る所で炊事の煙が立ち上る雪郷の雪韻大通り

聞いた話によると、ここでは中国で最も美しい雪景色が見られる。交通は不便だがここ数年、毎年大勢の撮影愛好者とウォーキング愛好者がやってきたという。そこで、筆者もさっそくハルビンから足を伸ばし、雪郷の素顔に迫ってみることにした。

─秀麗な雪郷までの道のり─

観光客のほとんどはハルビンから車を手配し、およそ7時間もかけて雪郷を訪れる。観光客の中には、まず汽車で牡丹江に向かい、それから車を手配して雪郷へ向かう人もいる。行き道では3時間くらいくねくねの山道を走り、しかも路面が濡れて滑りやすくなっているので、自前で他人と乗り合わせて行くのならば、道路状況を熟知し、経験豊かな現地のドライバーを選ぶ方が最善だ。もしくは、ハルビンの大手旅行社が企画している「雪郷2日ツアー」に申し込むこともできる。ツアーとはいえ、雪郷にたどり着くと自由に観光することができるので、安全かつ手堅い選択とも言える。

降り積もった厚い雪に覆われた旅館の薪

出発当日、午前7時にバスに乗り、7時間もの長い道のりを走破し、午後になって、ようやく雪郷の村の入り口にたどり着いた。よそから来た車が村の自然を汚さないようにするため、観光客は全員ここで雪郷への専用車に乗り換えて村に入る。

夜のとばりが降りた雪郷の旅館

このとき、バス内の観光客の多くはうたた寝から目覚めたばかりで、ふらふら下車すると、突然自分がすでに山間にいることに気付く。四方が山、森林そして雪原に囲まれ、さらに肌を刺すほど冷たいが新鮮な空気、これを心から喜ばずにはいられようか。もはやエンジン音を耳にすることはなく、静寂がそれに取って代わり、すべての音は出るや否や、雪に飲み込まれていく。そこにあるのは広々とした野原の穏やかさと心の安らぎ。しかも環境汚染防止のため、雪郷の春節では爆竹を鳴らしてはいけないのだ。旧正月の1日から15日まで、毎晩人々は家で円になって座り、お酒を飲みながら話に花を咲かせていたが、表通りは静まり返っており、村のにぎやかさをまったく感じさせず、ただ玄関に掛けられた赤い灯籠のみ、祝日の雰囲気を醸し出していた。

 

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