東京中国映画週間 諸説紛紛ある中、盛大に幕開け
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開会式での蘇有朋さん |
中国と日本が釣魚島問題でぴりぴりしているなか、中国映画週間が東京でスタートを切った。10月24日、8部の素晴らしい中国映画が日本で公開され、日本の観客たちは中国の芸術作品の今と中国社会の人間味を感じ取る事ができただろう。
中国映画週間の幕開けの日、記者は会場に出向いたが、張り詰めた日中関係がどれほどの影響を及ぼしているかとひやひやしていた。しかし、会場の熱気は遥かに予想を超えるものであった。90個ある記者用の席は全て埋まり、多くの記者が立ったままで取材をせざるを得ない状況だった。東京有楽町にある日本でもっとも大きい映画館の一つ「TOHOシネマズ 日劇」の946個の座席はほぼ満席となり、中日両国の映画ファンで賑わっている。
中国映画の代表団が舞台に登場し、絶え間ない歓声のなか日本の観客たちへの挨拶が始まった。そして、何と言っても蘇有朋さんの登場は今回の目玉である。また、日本の有名な女優である常盤貴子さんも駆けつけ、開幕式に花を添えた。常盤さんは中国に特別な思い入れがあり、日本の仕事を全てなげうってまで香港に映画撮影に行ったというエピソードがある。そんな彼女の思いもあって、今回の開幕式での中日映画スターの交流という感動的な場面が生まれたのである。
オープニングを飾った「ボディーガード&アサシンズ(十月圍城)」の上映が終了すると、鳴り止まない万雷の拍手が送られた。その後、帰っていく日本人の観客に記者がインタビューしてみると、皆口を揃えて「日中関係のことはあまり気にしていない。中国映画に対する愛はどんなものの影響も受けない」と言うのであった。また、ある中国映画ファンの「『ボディーガード&アサシンズ』の映画自体は言うことなしだったけど、字幕があまりにもひどすぎる。字幕ミスのせいで会場がどよめき、映画に集中できなかった」と言う不満の声もあった。主催者側に対してもっと真剣に字幕に取り組んで欲しいとの強い要望があるようだ。
25日には、中国映画週間のオープニングを祝うパーティーがグランドプリンスホテル赤坂で開催され、関係者ら数千人あまりが会場に詰め掛けた。程永華大使はスピーチを行い、「映画は中日関係において重要な意味を持ち、より多くの日本人が中国映画に理解を示しファンになってくれることを願っている」と話した。
日中友好映画祭実行委員会の耿忠理事長は以下のように語った。「今回の映画祭はどうしても日中関係の摩擦の影響を免れることはできなかった。章子怡(チャン・ツィイー)さんなどのトップスターの来日がキャンセルとなり、一部のスポンサーが下りてしまうという事態も発生した。日本の映画ファンから中国映画週間の開催を心配する電話での問い合わせが相次いだ。このような多くの映画ファンの支持があったからこそ、逆境に負けず開幕の日を迎える事ができた。それも盛大に。中日関係が微妙な時期にあるからこそ、民間の文化交流を大切にしたかった。だから、どんなに困難が多くても、中国映画週間の開催をあきらめることなく今日の日を迎える事ができ、この上ない喜びを感じている。」
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年10月27日