安倍首相の中国包囲 失敗は明らか

 

このほど安倍晋三首相は日本メディアで、中国が歴史問題について重ねて言及する主な目的は、釣魚島(日本名・尖閣諸島)海域の海洋権益の拡大だと述べた。安倍首相はさらに、中国側が自らの力により現状を変えようとしているが、日本はこれに対して妥協せず、中国との間に領土問題を抱える国と共同で中国に対抗すると表明した。

安倍首相の発言は、中日間の歴史・領土という2大核心的問題および日本の対中政策に関するものだ。中国側からすれば、これは完全に本末転倒の出任せであり、思い上がった態度である。安倍首相の誤った歴史観、首相再任後の中国に関する言行を振り返れば、上述した発言が安倍首相の思いつきなどではないことが分かる。

安倍首相は1990年代に、自民党の歴史検討委員会に積極的に出席し、新しい歴史教科書をPRし、日本の侵略の歴史を歪曲し、その中堅的なメンバーとなった。

釣魚島など中日の領土・海洋の権益を巡る問題について、安倍首相は中日が釣魚島問題の棚上げで合意したことを否定する歴代政権の立場を引き継ぎ、中日間に釣魚島問題の係争が存在することを頑として否定し、中日首脳会談が開けない責任を、「条件を設定している」中国に押し付けた。

安倍首相の歴史歪曲と中国イメージダウンの根本的な目的は、日本国憲法の改正により、日本を「正常な国」にし、軍隊と外国に戦争を仕掛ける権利を手にし、日本のかつての「輝き」を取り戻すことだ。安倍首相から見て、中国はその「夢」を実現する上で最大の障壁であり、外交問題の最大の外部要因であるようだ。

安倍首相が日本をこのような苦境から脱却、苦境を「突破」させるため考えだした方法は、中国けん制・中国包囲だ。そこで安倍首相は「民主主義安全保障ダイアモンド」という戦略構想を打ち出し、「価値観外交」を進め、「中国脅威論」を誇張し、釣魚島問題で「妥協しない」姿勢を示した。さらに就任後すぐにいわゆる「戦略的外交」に着手し、これを自ら推進し、「中国包囲」の外交構想を実行に移した。安倍首相は現在、中国との間に領土問題を抱える国と協力し中国に対抗すると表明しているが、連合軍でも組むつもりだろうか。

安倍首相は焦り、やけっぱちになっている。半年余りが過ぎたが、安倍首相の中国包囲の外交戦略は馬脚を現しており、「自慢」できる外交の進展をどれほど獲得できたかは不明だ。北東アジアにおいて、中米・中韓・中ロの首脳が会談を開き、密接な連携を維持している。安倍首相が最も重視するオバマ政権は中国との提携を拡大し、溝を埋めるため戦略的な対話と手配を行なっている。東南アジアにおいて、ASEAN諸国は日本の投資と援助を歓迎しているが、中国との領土主権および中国けん制・包囲に関する問題について、日本側に立つ国は少ない。中国と南中国海で最も多くの係争を抱える2国のうち、ベトナムの国家主席が先ほど訪中し、フィリピンは実力的な問題により「日本による中国けん制の最前線の重責」を担えない。南アジアにおいて、中印の指導者は対話と協議により国境問題を処理することを確認しており、両国関係の健全かつ安定的な発展への影響を避けようとしている。

安倍首相は中国周辺に石を投げ、声を張り上げることで、少しの波紋や音を出せるかもしれないが、これは心理的な満足感しか得られないことを本人もよく分かっているだろう。「連合軍」の時代はとっくに過ぎ去っており、中国との間に領土問題を抱える国との中国対抗は、奇想天外な発想としか言いようがない。(筆者:華益 国際問題専門家)

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年7月14日

 

 

 
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