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南京の紫金山はホタル天国 数万匹の絶景

 

南京市の孫晨さんは12日、同市の紫金山に行き2年連続となるホタルの撮影を行った。今回撮影できたホタルの数は、昨年よりも多く、1枚の写真に少なくとも数千匹が映っている。その写真がネット上にアップされると、数千人のネットユーザーが転送し、「こんなにたくさんのホタルは見たことがない」と感激している。同写真は現在、中国全土で話題になっている。中国江蘇網が報じた。

■ホタルを知らない都市の子供 「光る花?」

筆者は16日、孫さんが撮影した写真を幾人かの子供に見せた。すると、周心怡ちゃん(4)は、「光る真珠!」と語り、「ホタルだよ」と教えてあげると、「ホタルって?」と、不思議そうに尋ねた。一方、鄭麗莉ちゃん(8)は、「カラフルな光の花」と答え、張豫ちゃん(5)も「光る花!」と答えた。

 

■紫金山はホタル天国 数万匹か

2000年から、ホタルを専門に研究し、中国全土の100カ所以上の地域を訪ねたという華中農業大学(湖北省)の付新華・教授は「ホタルがいなくなった都市が多く、市内でこんなに多くのホタルを見ることができる紫金山は、中国1のホタル保護区」とし、「紫金山のホタルの群れには、少なくとも数万匹はいる」と強烈なインパクトが残っていることを語った。

一方、江蘇青年環境ボランティアサービスセンターは4年連続で南京のホタルを観察しており、同センターの責任者・朱翔宇さんによると、「ホタルは環境の善し悪しを教えてくれる昆虫。紫金山は、南京のバイオラングで、環境がどんどん良くなっている。紫金山のホタルは街灯のない所に集まっており、植物の状態が良く、付近の渓流の水もきれいなため、ホタルの生息に非常に適している」。

■街灯や川の汚染がホタルの繁殖に影響

3年以上に及ぶ研究で、朱さんらは紫金山のホタルの数が毎年10%ずつ増加していることを突き止めた。ただ、それは紫金山だけのことで、南京市内のホタルはほぼ全滅だという。  付教授によると、ホタルは環境に非常に敏感。植物が茂り、水や空気がきれいな自然環境でなければ、ホタルを見ることはできない。そして、街灯があるだけで、ホタルの影も形も見えなくなってしまう。都市部では、人工的な光や土手のコンクリート化、川の汚染などで、ホタルが生きて行くことができなくなってしまう。付教授によると、「ホタルはそれほど目立つ存在ではないが、生態系においては、決して欠かすことができない生き物。ホタルがいなければ、カタツムリやナメクジが木を埋め尽くすようになり、花や草もボロボロになってしまう」。

ホタルが光を発するのは求愛行動だ。付教授は「ホタルの繁殖に影響が出るため、決してむやみに捕まえてはならず、懐中電灯を照らしてもならない。そして、ホタルの生活環境を破壊するようなことはもっとあってはならない」と訴えている。

 

「人民網日本語版」2013年7月19日

 

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