習近平国家主席は25日、ワシントンでオバマ米大統領と会談し、米中関係の次の発展段階について重要な提案を行い、中米関係は終始正しい軌道に沿って発展していくことが必要と強調した。また、双方は引き続き中米の新型大国関係の構築に尽力していくことで同意した。人民日報が伝えた。
習主席は、「中米関係は世界で最も重要な二国間関係の一つであり、中国側は米国側と共に、衝突も対抗もせず、互いに尊重し、協力ウィンウィンを堅持し、二国間、地域、世界レベルの各実務協力を絶えず展開し、建設的な方法で溝や敏感な問題をコントロールし、中米関係を終始正しい軌道に沿って発展させていかなければならない」と指摘した。
また習主席は、中米関係の次の発展段階について以下の6つの提案を行った。
1、 ハイレベルと各級の密接な交流を維持し、中米戦略・経済対話や人的文化交流ハイレベル協議などの重要な対話メカニズムを効果的に活用し、ハイレベルな戦略的対話による中米関係へのけん引力と推進力を引き続き発揮していくこと。
2、 経済貿易や両軍隊、反テロ、法執行、エネルギー、環境保全、インフラ施設整備などの分野で実務的な協力を拡大、深化すること。
3、 人的文化交流を密接にし、両国関係を支える社会的基盤を固めること。
4、 歴史や文化伝統、社会制度、発展の道とそのプロセスにおける相違点を互いに尊重することで、互いに学び合い共に進歩する原動力とするよう尽力すること。
5、 アジア太平洋地域の実務を巡って引き続き対話と協力を深めること。
6、 地域的、世界的な課題に共に対応し、中米関係の戦略的内容を充実させ、国際社会により多くの貢献をしていくこと。
オバマ大統領は、「米中両国には様々な問題において共同の利益を有しており、多くの協力分野で重要な成果を挙げてきた。米国側は、イラン核問題の全面的な協議達成、朝鮮半島の非核化、アフガン再建といった面において中国側が発揮した重要な役割に感謝すると共に、引き続き関連の問題で連携していくことを望む。また、気候変動や医療衛生、野生動植物の密輸の取り締まりといった分野での対応強化でも協力していきたい」と述べた。
習主席は、「両軍関係は中米関係の重要な構成要素である。双方は両軍のハイレベルな交流を維持し、メカニズムを活かした対話を通じてより多くの合同訓練を展開しなければならない」と強調し、中国側は「リムパック-2016」合同演習への招きに応じ、11月に部隊をシアトルに派遣して人道主義救援減災の実兵訓練に参加することを伝えた。
習主席はまた、中華民族は中国の主権と領土保全に関して非常に敏感であり、米国側が関連の承諾を厳守し、中国統一と安定を損ねるいかなる行動も支持しないよう求めると強調した。
これに対してオバマ大統領は、「米国側は両軍の相互信頼メカニズムの構築によって得られた新たな成果を積極的に評価しており、両軍が引き続き対話を強化し救援といった具体的な分野で協力を展開していくことを支持する。また、米国は1つの中国政策を堅持し、3つの米中共同コミュニケの諸原則を守るという立場は変わらず、「台湾独立」、「西蔵独立」、「新疆独立」を支持せず、香港事務にも介入しないことを重ねて表明した。
両国首脳は多くの重要な成果を挙げ共通認識に達した。エネルギー、環境保全、科学技術、航空、インフラ設備、農業、衛生といった分野でもウィンウィンの協力を拡大する。また、双方はマクロ経済政策の連携強化に同意し、グローバル経済成長と金融安定を共に促進するため、中米経済事務定期通話メカニズムを設ける。双方はG20、世界銀行、国際通貨基金といった多国間メカニズムにおいても協力を強化することで同意した。また米国側は、人民元が国際通貨基金の関連基準を満たすことを前提に、特別引き出し権(SDR)通貨バスケットに編入することを支持し、2010年G20首脳サミットで可決した国際通貨基金の出資割当額とガバナンス構造改革方案の早急な実施を承諾した。
双方は両軍各レベルの交流と政策対話の強化、ならびにより多くの合同演習を行っていくことでも同意した。双方は、テロ主義は人類共同の脅威であるとの見方を示し、二国間と多国間のテロ撲滅協力の強化に同意した。海賊撲滅と人道主義救援減災、国際平和維持といった分野での交流協力も強化し、腐敗撲滅と法執行の協力強化と各種多国間の腐敗犯罪活動への取り締まりなどでも意見の一致をみた。
双方は、中米両国はアジア太平洋地域において幅広い共同利益を有し、引き続き地域事務について対話と協力を深化させ、双方がアジア太平洋地域において積極的かつ包容的な協力関係を構築することで尽力し、地域の国々と共にアジア太平洋の平和と安定、繁栄を促進していくことで意見の一致をみた。
双方は、引き続きグローバルな挑戦に共に立ち向かい、国際社会により多くの貢献をしていくことで意見の一致をみた。双方は、気候変動に関する共同声明を改めて発表し、二国間実務協力の拡大、多国間対話の協調強化、パリ気候変動大会での重要な成果の推進に同意した。また、双方は中米発展協力備忘録に調印し、アフリカ、アジアなどの地域で食料安全、公共衛生システムの構築、応急救援といった分野での3か国協力の拡大に同意し、ポスト2015年開発アジェンダの実行でも連携を図る。双方は国際核不拡散条約を維持し、関係各国のイラン核問題「合同包括行動計画」の合意を歓迎することで同意し、平和的方法で朝鮮半島の非核化を実現し、半島の平和と安定維持に尽力していくことを改めて表明した。
双方首脳は南中国海問題やサイバーセキュイリティ、人権といった問題をめぐっても意見を交換し、習主席は中国側の原則的立場を表明した。(編集IM)
「人民網日本語版」2015年9月27日
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