『瞭望東方週刊』 中国乳業の厳冬期
2016年6月9日
中国の酪農・乳業は史上最大の危機に直面しているかもしれない。農業部の調査によると、2015年5月、乳牛を飼育しても、1頭の平均年間生産量は6㌧、収益はわずか240元で、前年同時期に比べ95％減少している。多くの酪農農家と養殖企業が赤字経営に陥った。この情況を招いた原因の一つは安価な海外の牛乳で、乳業メーカーが乳原料の海外購入を加速させたことだ。例えば、1㌔の生乳はニュージーランドで約1.7元、国内で4.75元だ。もう一つは「毒ミルク事件」の後、消費者の国産乳製品への信頼がいまだに回復せず、海外の乳原料で消費者を引き付けることが、多くの乳業メーカーの選択肢となったこと。現在、中国の乳業において乳原料の自給率は70％だが、この数字の下落が続いている。もし、60％以下になれば、多くの関連企業の倒産が起こり、50％以下になれば、中国の酪農業は崩壊するかもしれない。海外産生乳と国内産生乳の比例配分、中国乳業の健全的な発展の堅持が当面の急務となっている。
人民中国インターネット版 2016年7月