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要钱不要命

 

宮崎菜穂 

中国語の「要銭不要命」という言葉。この言葉を知らなければ、きっと私は今頃中国語を勉強していなかった気がします。このたった5文字は、それくらい私に強い印象を与えました。そこで、この言葉の意味について私なりに考えてみたいと思います。

きっとこの言葉を知らない中国人はそういないのでしょう。私はよくこの言葉について中国人に聞いていたことがあります。そのときの彼らの反応を3種類に分類してみます。

①楽しそうに笑う

一番多く、ほとんどこのパターンでした。ある若い男の子2人組には机を叩いて信じられないくらいに爆笑されました。あんなに笑われた経験は私の人生で最初で最後かもしれません。

②驚く

目を見開いて驚く人が数人いました。驚いた後、不思議がって怪訝な顔をする人もいました。

③冷笑

これはある1人だけです。その人は「あぁ」と言って暗く小さく笑いました。聞いてはいけなかったのかもしれないと、この時は少し感じました。

③の人以外はみな決まって「何で知ってるの」とか、「どこで知ったの」と聞いてきます。そして、すぐに面白がって私と仲良くしてくれます。「中国人以外の人が知る言葉じゃない」と言われたことがあります。

この言葉を知っているだけで、中国人との距離が縮まる気がします。私は中国語を話す中国人が好きです。中国の広い大陸のたくさんの人が、同じ言葉を話し、仲間のようにして信頼し、結束し合っているのを見ると、私は彼らが本当にうらやましい。そして、彼らは皆きっと「要銭不要命」を知っています。そんな中国人の大きな力に惹かれて、私は本格的に中国語の勉強を始めました。

中国語を勉強し始めて4ヶ月ほど経ったころ、コンビニで宅配をお願いした店員さんが中国人でした。手続きを終えて私がぽつりと「謝謝」と言うと、店員さんはハッとして手を止めました。私が「我学习汉语」と言うと、店員さんは私の中国語を理解してくださり、非常に喜んでくれました。そのとき、私は本当に嬉しかった。語学を勉強する意味がようやく分かった気がしました。

「要銭不要命」は私が中国や中国人に関心を持つきっかけとなった言葉です。この言葉に導かれてかけがえのない友達ができました。困難に耐える力にすらなってくれました。この言葉は呪文のようです。つらいことがあったとき、この言葉は現実的な励みになります。物騒で残酷だけれど、全力で何かに取り組む原動力になる綺麗な言葉だと思います。人によって受け取り方が変わる言葉だと思いますが、お金のために死ねるかが問題ではなく、一心で何かをやり遂げられるかが問われる言葉だと私は解釈しています。優しく厳しい中国の人たちを知るために、必要な言葉だと思います。

私はある本を読んでこの言葉を知りました。言われてみれば確かにこの言葉を知る日本人はそういない気がします。しかし、お金か命かという世界中のありふれた問題に、これほどシンプルで明瞭な答えを出せるのは中国語だけだと思います。

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