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魅惑の摩天楼ジャングル上海

 

超高層ビルが立ち並ぶ浦東の小陸家嘴金融貿易中心区を散策すると、上海の経済発展の速さに深い感慨を覚えずにはいられない。川向こうの外灘の異国情緒あふれる建物と呼応しあい、美しい都市景観を創り出している。

アジア一の「東方明珠広播電視塔」

東方明珠タワー(写真・馮進)
黄浦江のほとり、陸家嘴の「嘴の先」に位置する東方明珠広播電視塔(東方明珠タワー)は高さ468メートル、アジア1のっぽなタワーだ。観光、飲食、買い物、娯楽などのサービスが一体となり、上海を代表する建物、観光スポットになっている。

地上263メートルの位置にある直径45メートルの球体は展望台となっていて、上海を俯瞰するのにもってこいの場所。360度透明な観光エレベーターで展望台に上がると、高層ビルが林立し、広い道路が縦横に走る都市景観を余すところなく見渡せる。

天気のよい日には、遠くに郊外の佘山や崇明島などがかすかに見える。夜には、あふれんばかりの光が彩る100万ドルの夜景が広がる。

美しい景色を眺めたあとは、地上267メートルに位置する回転レストランで食事を。アジア1の高さを誇るこの回転レストランの営業面積は1500平方メートル、さまざまなコース料理や各種料理が楽しめるビュッフェを提供している。

一階には上海都市歴史発展陳列館がある。上海の100年来の発展史を紹介した博物館だ。展示面積は1万平方メートル以上。文物や道具、模型、映像・音声などマルチメディア技術が融合し、上海の歴史や文化の魅力を十分に伝えている。

東方明珠タワーの下は遊覧船乗り場だ。遊覧船に乗って黄浦江に出ると、両岸の都市景観を思う存分堪能することができる。とくにナイトクルーズは上海の夜景を心ゆくまで楽しむことができ、「光り輝く不夜城」にため息をつかずにはいられないだろう。

東方明珠タワーの年間の参観者数と観光収入は、世界のタワーのなかでフランスのエッフェル塔に次いで第2位。世界に名だたる観光スポットのひとつになっている。

伝統とハイテクが調和した「金茂大廈」

東方明珠タワーのほど近くにある金茂大廈。高さ420.5メートル、メインビル88階建て、中国の伝統的な建築様式と世界の先端技術が調和した超高層ビルだ。

最上階の88階、地上340.1メートルの位置には面積1520平方メートルの展望台が設けられている。秒速9.1メートルの直通エレベーターに乗ると、地下一階からわずか45秒で展望台に到着。目の前には黄浦江の両岸の都市景観と長江の河口の景色が広がるばかりか、高層階に入っているグランドハイアット・ホテルのアトリウムも覗ける。グランドハイアットのアトリウムは56階から最上階まで吹き抜けになっていて、高さ152メートル。展望台から見下ろすと、螺旋状につながる回廊を彩る明かりが重なり合い、目がくらむような鮮やかさだ。

展望台には中国でもっとも高い位置にある「空中郵便局」も設けられ、珍しい郵便グッズや特色のあるサービスを提供している。また、地下1階にはフードコートがあり、安くて手軽な飲食物がそろっている。

別館の3~6階には、ステンレスの螺旋階段とガラス床の通路、そして空中回廊が設えられている。独特の風格、大胆な構想の建築芸術を味わうとともにさまざまなサービスを享受することができる。

492メートルの「上海環球金融中心」

往年の上海の様子を再見し、多くの参観者を引き付けている(写真・馮進) 上海都市歴史発展陳列館の内部(写真・馮進)

現代的なビルが林立する小陸家嘴エリアにまたひとつ、超高層ビルが誕生した。今年5月に完工した492メートルの高さを誇る上海環球金融中心だ。

このビルは森ビルグループが中心となり、日本や米国などの企業30社あまりが投資して建設された。地上101階、地下3階。主にオフィス利用を目的とし、ビジネス、宿泊、観光、会議などの機能が一体となった複合型ビルである。

79~93階に位置するパークハイアット上海は、金茂大廈のグランドハイアットを抜き、世界最高層のホテルとなる。

94~100階は展望施設で、3つの展望フロアが設けられている。94階には約700平方メートルの展示ホールと展望台が設置され、各種の展示イベントも行われる見込みだ。97階には展望通路が設置され、そこから下を見ると、まるで自分が空中に浮いているように感じる。

地上474メートルの100階には展望フロアがある。カナダ・CNタワーの展望台を上回る世界1高い展望台である。

上海環球金融中心の造型は、天空への窓としてここに出入りする膨大な情報の流れのシンボルであるという。森ビルが全力を注いで建設したこの「垂直の複合都市」は、上海の経済、文化、娯楽の情報発信地となることを目指している。

より高いビルへ「上海中心」

小陸家嘴エリアの全体計画によると、「上海1高い」という記録は数年後に再び更新される可能性が高い。金茂大廈の南、上海環球金融中心の西に超高層ビル「上海中心」が年内にも着工する予定だからだ。

上海環球金融中心の94階「Sky Arena94」(写真提供・森ビル) 上海環球金融中心の97階「Skywalk97」(写真提供・森ビル)

金茂大廈は421メートル、上海環球金融中心は492メートル。「上海中心」はどのくらいの高さになるのだろうか。

業界関係者によると、どのくらいの高さになるのか、どのような形になるのか、最終的にはまだ決まっていない。しかし「上海1高い」ビルになることは間違いないという。そう遠くない未来、より高い建物、より美しい都市景観を目にすることができるだろう。

 

人民中国インターネット版 2008年9月2日

 

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