国際色豊かな辺境の町
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北海市の美しい「銀灘」(写真提供・北海市対外宣伝辦公室) |
北海市は北部湾地域にある、独特な魅力をもつ都市である。
白虎頭海岸の砂浜の砂は、すべて高品位の珪砂で、白くて細かくふわふわしているため、「銀灘(銀色の砂浜)」と呼ばれる。延々十数キロ続く「銀灘」は「中国一の砂浜」といわれ、世界各地から多くの観光客がやってくる。
涠洲島は火山から噴出した溶岩の堆積によって形成された島である。島には断崖絶壁、海食鍾乳洞やたくさんのサンゴ礁があり、古びた木造の小屋や生い茂ったバショウの林、西洋風のカソリック教会や聖母堂と一体になって、中国と西洋とが対照的に存在する、この世の仙境を形づくっている。
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北海市合浦県廉州鎮から東南へ3キロのところで出土した漢代の墓 |
ユネスコの「人間と生物圏計画」の保護区ネットワークに入っている山口鎮のマングローブ保護区は、面積806ヘクタール。オオバヒルギやメヒルギなど13種のマングローブ植物があり、さらに他の植物や浮き草、藻類、魚類、貝、エビ、カニ、鳥、昆虫など多様な生物も生息している。
この一帯のマングローブ林は広々として、高い木と低い木が入り乱れて生えている。樹齢の長く、高くそびえるオオバヒルギは、根がくねくね曲がり、枝や葉が生い茂っている。小船に乗ってマングローブの林の中を行くと、木々の下をカニがはい、魚が跳ね、木々の上にはサギやカモメが飛び、チョウが舞い、ハチがぶんぶんとうなっているのを見ることができる。大自然の溢れんばかりの活気は感動的だ。
マングローブは、汚染されていないきれいな海域にしか生存できないと言われている。ここの生態環境は優れているため、海に出る地元の人々はよく、自由に遊んでいるイルカやジュゴンの姿が見かけるという。
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北海市にある旧ドイツ領事館の建物 |
北海は昔、「合浦」と呼ばれた。『漢書・地理志』には合浦からベトナムなどに行く海路があったことが記載されており、合浦が前漢時代にはやくも東南アジア諸国に通じる港で、「海のシルクロード」の始発地の一つであることを示す。
合浦県廉州鎮から東南へ3キロのところに、一万近くの漢代の墓がある。漢代は死者を手厚く葬る慣わしだったので、南へやって来た役人や将校、移民が死後、合浦に埋葬された墓からは多くの副葬品が出土している。この数年、銅製の鳳灯や銅製の家屋のミニチュア、真珠、瑪瑙、琥珀、陶製の家屋のミニチュア、陶器などの文化財が大量に出土したが、その中には琥珀に彫られた獅子やトンボ、扇子やカゴなどの舶来品もあった。これは合浦が欧州やアジア、アフリカの国々と通商、貿易していたことを示す実物史料である。
北海の有名な旧市街である珠海路は、かつては北海でもっともにぎやかな商店街だった。昔、ずらりと並んでいた店は今ほとんど住民の家屋となっている。老人たちは家の前にぼんやりと座り、世間話をしたりマージャンを打ったりしている。旧市街の建物は、外観が美しいだけでなく実用的でもある「騎楼」で、二階が歩道の上に突き出ている。「騎楼」の下を歩くと、風雨を避け、照りつける太陽から身を隠すことができるし、商売や納涼にも便利だ。
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北海の旧市街・珠海路 |
しかし北海の旧市街の「騎楼」は、ほかの南の都市の「騎楼」とは少し違う。それは、多くの「騎楼」の四角い柱が太くて重く、古代ローマ風の建築スタイルであることだ。通りに面した窓の上部はたいていアーチ形に造られ、装飾線の彫刻やレリーフが施されている。こうしたところにも、西洋建築の影響が容易に見て取れる。
意外なことに、かつて中国の辺境の地と思われてきた北海に、英国、ドイツ、フランスなど八カ国の旧領事館の建物が残っており、また英国、フランス、ドイツ、ポルトガル、日本、デンマーク、オランダ、米国の商社や代理店として使われた建物もある。また東南アジアでもっとも大きいカソリック教会や英国国教会、フランス政府により創立された病院も残っている。百年以上の歴史を有するこれらのヨーロッパ風の建物は、現在、ほとんどが北海の市街地に保存されていて、人の心や目を楽しませてくれる。(写真提供・防城港市対外宣伝辦公室)
人民中国インターネット版 2009年1月20日
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