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多様化する庶民の財テク

 

10万人が受講する「財テク講座」

 

市民たちに株式相場を説明する上海の証券会社のスタッフ

米国のサブプライム・ローンに端を発する金融危機は、「上げ」相場続きの中国にも暗い影を落とした。ひところの熱狂的な株式ブームは影を潜め、大きな損失を被った個人投資家は、新たな財テク方法を模索し始めている。

そんななか、金融の専門家たちが指南する「財テク講座」は多くの注目を集め、スター講師も誕生している。

「今年は『下げ』相場でしょうか」「手持ちの株を減らす必要がありますか」「今年は、定期定額のファンドを買う方がもっとよいのではないでしょうか」……先を争うように、さまざまな質問が『北京青年報』の主催の「財テク講座」で飛び交っている。

楊さんは「財テク講座」に足繁く通う参加者の一人だ。彼は、2007年の5月に、長年蓄えた貯金を切り崩し、1株13元の「撫順特殊鋼」の株を1万株購入した。しかし数日後、6万元近い損を出してしまった。その後、株価は徐々に回復したが、「撫順特殊鋼」の株は10元までしか戻らなかった。

2007年11月8日、「投資、融資、理財(財テク)」をテーマにした第3回北京国際金融博覧会が開かれた 2008年北京投資・財テク博覧会で、「財テク講座」に参加する人々(新華社)

当時、楊さんはひどく焦っていた。ちょうどそのとき「財テク講座」が開講されるのを聞きつけ、友人と一緒に講座に参加し、専門家にアドバイスをもらった。その指示通り、株を売り払ったところ、損をしなかったばかりか2万元も儲かったという。

空前の財テクブームと金融危機を経て、人々の財テク知識への渇望はますます強くなってきている。これを背景に、多くのファンド会社や銀行、メディアなどが「財テク大教室」「財テククラブ」という財テクに関する講座を次々に開催している。

先述の「財テク講座」だけでも、この6年間に400回以上開かれ、受講者は延べ10万人近くに上る。講演するゲストは、銀行やファンド、保険、証券、金、外貨などの機関で働く財テク専門家やトレーダーで、なかには、多くのファンを持つスターもいる。

林園さんは「株の神様」という異名をとる人気者だ。林さんの講座が開かれるという情報が流れると、180枚の入場券は1日で売り切れてしまう。

保険購入について、連日多くの人が相談を受けに来る 大盛況の華夏基金主催の「財テク講座」

講座の当日、200人収容の会議室に300人近くが詰め込まれ、ほとんどが立ったままで2時間余りの講座を聞いた。ネットでも生中継されたが、大量のアクセスがあったため、サイトは一時的に閉鎖せざるを得なくなった。

これら講座以外にも、株やファンド、投資に関する書籍も人気があり、よく売れている。毎月の書籍販売ランキングの「ベスト20」圏内には、いつも財テク関連の書籍が数冊入っており、「ベスト20」書籍の販売数の50%近くを占めている。

 

 

人民中国インターネット版 2009年3月

 

 

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