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多様化する庶民の財テク

 

「財テクプランナー」の登場

 

庶民の財テク意識が高まるにつれ、「財テク講座」とともに注目を集め始めているのが、財テクを指南する専門のプランナー「理財師」という新しい職業だ。金融商品の購入から家庭の経済的な問題まで、ありとあらゆることに対応してくれる。

「中美大都会人寿保険公司」の首席プランナー、陳懐年さん(写真・沈暁寧)

陳懐年さん(36歳)は「中美大都会人寿保険(生命保険)公司」の生命保険の首席プランナーだ。

金融・経済学の修士を持つ陳さんは、この保険会社に転職するまで、投資信託や証券などの金融投資業務に10年携わり、「アジア金融投資公司」の首席代表の地位までのぼりつめた。その地位を捨て、保険業界でゼロから出発しようと決めたとき、友人たちはみな「理解できない」と口を揃えて止めようとした。しかし陳さんは、経験したことのない保険業にチャレンジしてみたいと考えた。

保険業に従事し始めた陳さんは、従来の保険商品をセールスする方法ではなく、客の実情と要求を理解し、客がまったく必要のない種類の保険を買おうとしているのを知ると、経済的な損失を配慮して購入しないほうがよいと勧める。こうしたやり方で、陳さんは会社の中で「別種」の保険セールスマンになった。

陳さんは、会社内で抱える顧客数はもっとも多いが、販売成績はトップではない。しかし、他のセールスマンとは違ったやり方をすることによって、顧客の信頼を勝ち取っている。

「陳懐年」の名前が知れ渡るにつれて、多くの面識のない人々が、個人的な経済問題でアドバイスを求めてくるようになった。彼らが自分の所得と支出の状況に基づいて尋ねてくる問題は多種多様である。例えば住宅を買うべきかどうか、どの株に投資すべきか、いつ車を買い換えるのがよいか……。

陳さんは「見通せる未来」と名づけたコンピューター・プログラムのソフトを開発した。そのソフトは、自分の現在の経済状況と理想に達するのに必要な支出金額を入力すると、自動的に、将来の社会・経済の発展指数とインフレ率などの経済指標の予測値を参考にして、その理想が実現できるかどうか、いつ理想が実現するか、そのために支出する経済的代価はいくらかを算出してくれる。客はこれに基づいて生活を調整したり、目標を修正したりすることができるのだ。

陳さんは、とある女性からマンション購入について相談を受けた。頭金もすっかり準備したが、将来のローン返済がかなり高いので躊躇し、決めかねているという内容だった。相談を受けた陳さんが、コンピューターに彼女の情報を打ち込むと、「マンションを買えば、将来の経済状態はかなり窮迫する」と算出した。そこで「あなたの月収を増やさない限り、『マイホーム奴隷』に身を落とすことになりますよ」とアドバイスをした。その女性は購入をあきらめたという。

ファンド投資家に財テク法を説明する華夏基金のプランナー(手前右)

このほど、中国のある財テク専門のネット会社が、北京と上海、広州の3大都市で調査を行った。それによると、78%の人が、財テクサービスが必要だと考え、その中の50%以上が財テクサービスに費用をかけてもよいと思っていることがわかった。

専門家は「現在国内の財テク市場は1000億元を超える規模になっている。それに対して、金融財テクのプランナーは20万人も不足している。近い将来、プランナーという職は人気がでてくるだろう」という見方をしている。

 

 

人民中国インターネット版 2009年3月

 

 

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