「13年間の発展の末、広東省は、『衣食が足りる』社会から、すでに『豊かで、いくらかゆとりのある』社会に入った」――第16回党大会に出席した広東省の盧瑞華省長は、党大会の報告の討論の場でこう発言した。
中国の南方に位置している広東省は、20年前までは人々の暮らしは貧しかった。改革・開放以来、とくに最近の13年の間に、広東省は急速に発展した。
エンゲル係数は1978年は66.6%、1989年は56.5%、1993年は50%になった。そして2001年には、38.1%までに下がり、豊かで、いくらかゆとりのある社会に入った。
持続的かつ急速な発展は、広東省に経済、技術、財政力の大幅な増強をもたらした。統計によると、広東省の国内総生産(GDP)は、1989年は1381億元、1997年は7351億元だったが、2001年は1兆647億元までにあがった。
広東省はその沿海に位置することや香港、澳門(マカオ)と隣接しているという優位性を発揮して、大いに輸出型産業と対外貿易を発展させてきた。1989年の広東省の輸出入貿易総額は355億ドルで、1997年にアジア金融危機による被害を受けたものの、貿易総額は依然として伸び、1301億ドルまで達した。2001年は1764億ドルで、今年は2000億ドルに達し、全国の貿易総額の35%を占める見通しだ。
盧省長によると、広東省都市部住民の1人当たりの平均年収は、1978年では412元しかなかったが、現在は1万415元となり、誰もが「万元戸」(一万元以上の収入のある家庭)になっている。住民の収入の増加によって銀行預金も激増し、1978年の都市と農村の預金は17億6000万元しかなかったのが、2001年にはすでに1兆元を上回った。現在、都市部住民の持つ家庭の財産は平均28万元で、その内訳は、住宅などの不動産が14万3000元、耐久消費財は2万2000元、預金や保険、株券などの金融資産は8万7000元となっている。
豊かになった広東人は、国家にもかなり貢献している。2001年、広東省の各種の税収は合計で2720億元に達し、全国の税収のおよそ7分の1を占めている、と盧省長は述べた。
しかし、広東省にもまだ経済の比較的立ち遅れた山区(山岳地帯)が一部ある。そこに住む人々の収入はかなり少ない。広東省政府はすでに370億元を出し、山区を発展させようとしている。同時に、政府は巨額の資金を拠出し、山区の教育を発展させようと、例えば2000校の小学校を改築したり、88万人の低所得家庭の子供に書籍費や雑費などの各種の費用を免除したりしている。(本誌記者 丘桓興)
(『人民中国』インターネット版 2002年11月11日)
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