李元実は中国・吉林省延吉市(延辺朝鮮族自治州の州都)にある延吉タバコ工場の工場長補佐であり、技術センターの主任である。長年、彼女は自ら進んで、企業の発展と、自分の人生での追求とを一致させてきた。そして技術センターの同僚たちといっしょに、「長白山」印のタバコの研究開発を全力で進めることによって、延吉タバコ工場を、ブランドによって市場のシェアを獲得するという健全な軌道に乗せた。
タバコ製品の研究開発者としては、タバコを吸えるだけでなく、タバコの香り、刺激性、後味、味の濃厚さなどを非常に正確に捕捉できなければならない。簡単に言えば、タバコの鑑定の技能を持たなければならないのだ。
喫煙を習い始めた時、彼女はどうしてもタバコの鑑定の感覚をつかむことができなかった。1、2本吸っただけで咳が止まらなくなり、頭がくらくらし、めまいがした。ましてタバコのサンプルの品質を評価することは言うまでもなくできなかった。
しかし、タバコの鑑定は、タバコ製品の開発に不可欠な技能であり、この技能を身につけるには、タバコをたくさん吸い、多種多様のタバコを吸う以外には、他の道がない。そこで、消費者が好む製品をつくり出すために、彼女は、長い間、タバコをいつも持って歩き、常に口にくわえていた。辛いタバコ、コクのあるタバコ、軽いタバコ、品質が良いもの、悪いもの、各種のタバコを品評しながら吸い、その量は必然的に多くならざるを得なかった。
努力は必ず報われる。長い間の探索と実践を経て、李元実のタバコ鑑定のレベルは明らかに向上した。延吉タバコ工場始まって以来の、第1号の国家レベルのタバコの感覚器官による品質評価委員に合格し、全中国で二人しかいない女性のタバコ鑑定員の一人になった。
1997年、李元実は延吉タバコ工場の技術センター主任に抜擢された。当時、延吉タバコ工場は、ブレンドしたタバコだけを生産していたが、市場での売れ行きは悪く、企業の生存と発展は厳しい試練に直面していた。新製品の研究開発部門の責任者となった彼女には、誰よりも大きな圧力がかかった。その当時、彼女は、昼も夜もほとんど、実験室の中でテストを繰り返し、何度も実験した。
そしてついに1999年末、赤いハードボックスの「長白山」印のタバコを開発した。それが発売されるとすぐに消費者から歓迎され、「吉林省ブランド製品」「全国タバコ優等品」などの称号を授与された。延吉タバコ工場はその歴史上初めて、独自に開発した「烤烟型」(特別の乾燥室で乾燥させたタバコの葉のみで作られているタイプ)のタバコを持った。
その後、李元実はさらに赤いソフトボックスの「長白山」印のタバコを研究開発した。これが売り出されるやいなや、省の内外の市場で歓迎され、吉林省には高級タバコがないという空白を埋めた。2004年、「長白山」印のタバコは、全国の「タバコ製品100ブランドのリスト」に列せられた。
しかし李元実はそこに留まってはいなかった。時間を無駄にせず。自分の経験と技術をしまっておかずに他の人に伝え、さらに製品に対し絶えず改良を加えた。数年来、彼女は技術センターの職員を率いて、現在の製品の安定した味を維持するようつとめたうえで、韓国のタバコのタールを減らす技術を学び、さらにフィルターを長くし、一本のタバコの重さを減らすなどの措置をとり、タバコに含まれる平均のタールの量を年毎に減らした。いまやタールを減らす技術は、国内の最先端のレベルに達している。
人民中国インターネット版 2007/10/17 |