「では始めましょうか。」
奇瑞汽車有限公司(チェリー)、党委員会書記、理事長の尹同耀代表はソファに腰掛けた。彼にインタビューするのは、共同通信社や読売新聞など日本のメディアの記者である。
15日夜、メディアセンター内では、上記のような外国の記者と今回の中国共産党第17回代表大会の代表とのやりとりが12カ所で同時に進行した。センターのデータによれば、55カ国及び地域から来た310のメディアに所属する1135人の記者が今大会の報道に携わっているという。この数字は、第16回党大会の859人を大きく上回っている。
今大会の取材活動では、申請すれば、メディアセンターが単独インタビューを極力手配してくれることになっている。
大会初日、700名近くの記者が人民大会堂での開幕式を報道し、その後続けて数百人の記者が、メディアに向けて開放された各代表団の活動、つまり胡錦涛総書記が開幕式で行った報告について代表たちが意見を交わす様子などを取材した。
代表団の関係者は、代表団グループの開放とは“完全”な開放であり、全ての記者が会議の模様を取材でき、かつ質問を出来る時間も設けられている、と語る。
今大会で開放される代表団グループは34であり、第16回大会開催時の15から大幅に増加した。
メディアセンターの放送サービス室では設備が充実しており、開幕式の際にはアメリカのCNN、AP通信やロイター社など9社がここを無料で利用したという。同様にブロードバンドや速報の資料、各言語で中国を紹介した本などの資料も、無料で提供される。
しかし、最も喜ばれているのは携帯電話へのメールサービスである。メディアセンターは、中国語と英語の二カ国語を使い、次の日の活動予定や緊急の事柄について、メールを各メディア向けに同時配信している。
「これなら重要な活動をうっかりと見過ごしてしまう心配がない。」と、日本経済新聞社の渡辺園子記者は語る。
今大会ではさらに初の試みであるニュースセンターサイトを開設し、共産党の歴史・大会の日程などの様々な資料を全て載せている。
さらに、あるコーナーでは、「十月の北京は少しずつ寒さが厳しくなります。日中と夜間の温度差が大きくなりますので、記者のみなさま、防寒用の衣服を用意して、風邪予防をなさってください。」という心温まるメッセージを載せている。
「今回の大会のサービスはとてもいいです。」と渡辺記者は言う。
人民大会堂やメディアセンターなど様々な場所で、記者たちの口から最もよく聞かれる言葉は、まさにこの「サービス」である。
「党代表大会というこの窓口を通じて、世界はより全面的に中国共産党及びその指導下にある中国について理解するであろう。こうした交流は相互的なものであり、また互恵的なものでもある。」江蘇省の張新実代表は、「開放の意識と対外交流能力もまた党の執政能力の一部である、と私は考える。」と語った。
「チャイナネット」2007/10/17
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