今年1月、国務院(中央政府)は、年内に小規模な火力発電ユニット1000万キロワットを閉鎖・運転停止するという計画を下部に伝達し、6月末までに、全国の小規模火力発電ユニット551万キロワットがすでに閉鎖・停止された。この目標が達成されれば、石炭847万トンを節約でき、二酸化イオウ二十万トンと二酸化炭素1700万トンの排出を減らすことができる。「省エネと排出削減」は現在、中国の経済建設の中のホットな話題となっている。
8月19日、青海省の李津成副省長は、今後、GDPを三江源流地域の幹部を審査する指標にしない、と宣言した。三江源流地域は青海・チベット高原にあり、そこには長江と黄河、瀾滄江(メコン川上流)の源流があり、「中国の給水塔」と呼ばれている。青海省のこの決定は、三江源流地域で長年続けられてきた過度の放牧によってもたらされた草地の荒廃や水量の低下の問題を根本的に改善するとともに、全国に先駆けて、地方財政の増加と地方政府の政治的業績とを別々に分け、環境保護の重要性を強調したものである。
こうした措置の登場は、現在の中国が「科学的発展観」で国家建設を指導していることを体現している。中国は1978年に改革・開放政策を実行し始めてから30年近く、終始、経済建設を国家発展戦略の中心としてきた。経済は急速に発展し続け、国家の外貨準備がゼロから一兆ドルを突破するのにわずか26年間しかかからなかった。
しかし、世界が注目する成績の背後で、中国が払った代価もまた重いものだった。長期にわたる粗放式の生産モデルによって、国内の自然資源の浪費はひどく、生態環境は汚染された。
一部の政府部門や幹部の頭の中には、社会の発展がGDPの成長であるという一面的な考えが存在し、はなはだしくは、経済と環境の問題を処理するうえで、「先に汚染し、後で整備すればよい」と誤った認識を持つ人さえいた。こうしたことが、経済の長期的、安定的発展の持続にとって障害となってきた。
こうした局面に対して2004年4月、胡錦涛総書記は、「科学的発展観」の戦略思想を提起した。その中で持続可能な発展に関して胡錦涛総書記はこう強調した。
「それはつまり、人と自然の調和を促進し、経済発展と人口、資源、環境との調和を実現し、生産を発展させ、生活を豊かにし、エコロジーの良好な、文明的な発展の道を歩むことを堅持し、一世代から次の世代へと永続的に発展することを保証しなければならない、ということである」
3年来、中国は環境問題をことのほか重視してきた。汚染企業を整理・整頓すると同時に、新しいプロジェクトの許可に対して、環境保護部門の意見がきわめて重要な役割を発揮した。
今回の十七回党大会は、将来の経済建設の業務方針を制定するうえで、「良くもあり、速くもある」べきだ、と指摘した。これは中国が、経済成長の速度の追求から、経済成長の質と効果・利益を追求し、社会と人間の全面的発展を推進するという考え方に変わったことを示している。
「全面的で調和のとれた持続可能な発展」は、「科学的発展観」をもっともやさしく表現している。この新しい考えは、近年、地方で貫徹され始め、環境に対し一定の汚染を引き起こしている企業は、よしんばそれがその地方の主要な財源となっていようと、次々に閉鎖・生産停止をしなければならなくなった。
南京市江寧区東山街道の党工作委員会の高徳臣書記は「汚染企業の閉鎖・生産停止によって、その年の税収が数百万元減っても、美しい環境はもっと多くの、もっと素晴らしい投資プロジェクトを呼び込んだ。今年、わが地区の財政収入は前の年の四億元から十億元に増える見込みだ」と言っている。
十七回党大会でより完全なものになり、さらに高められた「科学的発展観」は、中国が建設を進める中で、人と自然が調和しながら共存するために政策的な根拠を提供したばかりでなく、都市と農村の間の、また東部地区と西部地区の間の経済発展の格差を縮め、社会のその他の領域の発展を促進し、経済の発展の程度にまで追いつくなどの面で、指導的役割を発揮するであろう。
人民中国インターネット版 2007/10/18
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