隣の家常菜(家庭料理)
沈文玉さんは、本社の社長であるばかりでなく、家庭料理の愛好家である。上海に生まれ、長年北京で働いてきたが、上海人の生活習慣は今も身に染みついているという。料理を作る上でもそうで、そこには上海人ならではの細やかな工夫が凝らされている。
普通は仕事で駆けまわっているが、家に帰ると家事もこなさなければならない。台所に立つこともしょっちゅうだとか。そこで早速、このコーナーに協力してもらうことにした。今回、披露してもらったとっておきの料理は、「白玉マ站焉v(ハム入りトウガンの蒸し物)だ。 @ トウガン半個(約五百グラム)は、三センチ幅の輪切りにし、種とワタを取り除いて洗ったら、二センチ幅の長方形に切り分ける。 A さらに厚みに切り込みを入れ、三枚に分けたら、中間の一枚だけ切り落として袋状にする。この形のものを十個あまり、用意する。
Bハム百グラムは、縦二・五センチ、横二センチ、厚さ三ミリの長方形に切り分ける。 CBのハムをAのトウガンにはさみ込み、平らな皿に二重になるよう交互に並べて、蒸気のたった蒸し器に入れる。 D十分ほど蒸したら取り出して、花切りにしたトマトを飾ってできあがり。 今回、使ったハムは、中国浙江省の特産である金華ハム。塩漬け、圧縮、燻製、陰干しなど特殊な製造工程をへて、色合いと風味の豊かな逸品に仕上がっている。もともとが塩辛い濃厚な味なので、この料理では調味料はいっさい不要だ。 蒸した後、透き通るようなトウガンに、紅色のハムがうっすらと映えて美しい。まさに、白玉に金をはめ込むという「白玉マ站焉vの名にふさわしい料理だ。食してみると、とろけるようなトウガンに、しっかりとしたハムの歯ごたえ。豊かな風味がいつまでも口の中に広がるのだった。 [材料](4人分) ※金華ハムは横浜、神戸の中華街などで買うことができます。 |