隣の家常菜(家庭料理)
本社翻訳部のカク慧琴さんは、中国山西省生まれ。大学に入ってから住み着いた北京に、現在は夫と小学1年生の息子の3人で暮らす。
山西省の人々は、小麦粉で作った食べ物「麺食」に目がないようだ。小麦粉は彼らの手により、味わい深い郷土料理へと生まれ変わる。たとえば、刀削麺(包丁で生地を削り、ゆでたうどん)、ジュウ片児(薄くのばした生地をちぎってゆでたもの)、コーダータン(すいとん)などである。 カクさんの幼いころは、母がよく葱油餅(こねた小麦粉にネギを練り込んで焼いたもの)を作ってくれた。当時はあまり食生活が豊かではなく、それだけにごちそうだった葱油餅を食べると「何日も満ち足りた気分になったものです」。 現代社会は仕事や暮らしのテンポが速く、飲食物もあふれている。コツさんは、母のように葱油餅をしょっちゅう作るわけではないが、それでもたまに作ると、その素朴な味にふるさとを思い起こすのだそうだ。
葱油餅の作り方は、次のとおり。 @小麦粉は、70〜80度の温水を加え、よく練ってから、20ほど寝かせる。 [ポイント] ★加える温水は、生地が耳たぶくらいのやわらかさになるよう加減する。 できたての葱油餅は、切り分けていただきたいもの。キュウリやトマトなどの野菜や粟がゆを添えれば、食卓がさらに豊かになるだろう。 [材料](2人分) |