本社カメラマンの劉世昭さんは、小さいころから肉を好んで食べたせいなのかどうか、見上げるような大男になった。また、四川生まれの彼は多くの四川っ子がそうであるように、辛いものが大好きだ。それで、劉さんに料理を作ってもらうと、肉とトウガラシが必需品となる。今回、ご紹介する四川風の「回鍋肉」(豚肉と野菜の炒め)も、そんな彼の好物である。
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カメラマンの劉世昭さん |
回鍋肉(鍋に肉を回す)はその名のとおり、ボイルした豚肉を再び鍋に入れて、炒めた料理だ。回鍋肉は全国各地で作られるので「四川料理」とは言いきれないが、劉さんの作る回鍋肉は四川料理のうまみを十分に引き出している。
四川風回鍋肉の作り方は次のとおり。
@豚肉は水をはった鍋に入れて、ボイルする(はしが肉にスッと通ればOK)。
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肉をボイルして |
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甜面醤(上)、豆瓣辣醤(右下)、トウガラシ粉(左下) |
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ニンニクの茎とトウガラシ |
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肉と野菜を用意する |
Aボイルした豚肉は、冷ました後で、縦横五×七センチ、厚さ三ミリほどに切り分ける(肉好きの四川っ子たちは、手のひらサイズの大きな肉をそのまま使うこともある)。
B鍋に植物油を熱し、・の肉を入れてサッと炒めたら、調味料の豆瓣辣醤と、甜面醤を加えて、さらに炒める。肉に火が通れば、茶碗一杯ほどの水を加えてしばらく煮込む。肉の脂を出すためで、これにより、濃厚ながらもあっさりとした味わいの肉になる。
C肉は、鍋底に油が少し残るまで煮込んだら、ニンニクの芽など食べよく切った好みの野菜を加えて、サッと炒めてできあがり。
四川っ子が必ず加える野菜がトウガラシだ。劉さんの場合、トウガラシの辛味だけではもの足りず、料理にさらにトウガラシ粉をふりかけるのだという。
辛くておいしい四川風味をぜひ、ご家庭でお試しください。
[ポイント]
★豚肉は、赤身と脂身の割合が半々くらいで、皮のついているものを選ぶ。
★豆瓣辣醤は、四川省ロッ県特産の辛味調味料。トウガラシをベースにしており、これを使うと味に深みが出る。日本では、スーパーやデパートなどの中華材コーナーでお求めください。
★ボイルして炒めた肉を、さらに煮込むのはポイント中のポイント。四川っ子たちは、回鍋肉を「成熬鍋肉」(鍋の煮込み肉)とも呼ぶほどだ。
[材料](3人分)
豚肉…………………500g
豆瓣辣醤……………50g
甜面醤………………30g
植物油………………少々
ニンニクの茎…………200g
トウガラシ……………200g
(野菜はお好みで)
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