中国の北方の人たちは麺を好んで食べるが、作り方は多種多様。麺それぞれに独特な味わいがある。本社翻訳部の常俊池さんは河北省の出身で、実家ではよく麺を食べるという習慣があった。彼女が作ることのできる麺もいろいろあるが、今回、紹介してくれたのは、家庭料理ではおなじみの「打滷麺」だ。
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翻訳部の常俊池さん |
打滷麺は、簡単に言うと、一種のあんかけ麺である。あんはなかなか工夫されていて、その中にはたくさんの材料が含まれている。ふつうの湯麺(スープ麺)と違うのは、スープに水溶き片栗粉を加え、とろみをつけた濃厚な味わいにすること。人々はそのあんを「滷」と呼んでいる。
打滷麺はまず、あんを作る。材料は、卵とトマト、金針菜、キクラゲ、シイタケ、肉のスープからなる。肉のスープは、あんの風味のベースとなるもので、最適なのがとんこつスープ。作り方はいたって簡単だ。
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あんの材料 |
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とんこつスープ |
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できあがったあん |
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ゆで上がった麺 |
@とんこつ五百グラムを圧力鍋に入れ、ひたるくらいの水に、大口切りにしたネギと、厚めにスライスしたショウガ、八角、塩少々を加え、蓋をして、沸騰したらさらに弱火で十五分ほど煮込めば、とんこつスープのできあがり。
Aスープができれば、とんこつ、ネギ、ショウガ、八角を取り除き、別の鍋にスープを移して、煮込み用にこれを使う。
B金針菜、キクラゲ、シイタケは水でもどしてから、金針菜は三センチほどに、キクラゲ、シイタケは大きめに切る。
CBをスープの中に入れ、二、三分ほど煮込んだのちに、薄くスライスしたトマトを入れて、さっと煮込む。
DCに水溶き片栗粉を入れ、とろみをつけたら、溶き卵を流し入れる。お好みで塩、化学調味料を加えれば、あんのできあがり。
E麺をゆで上げ、どんぶりなどに盛り分けたら、その上に、ひと煮立ちさせたあんをかける。おいしそうなにおいが漂う、あつあつの打滷麺のできあがり。
北方の人たちが打滷麺を食べる時には、箸休めとして、キュウリのせん切りと生のニンニクをいただきます。
[ポイント]
★とんこつスープを作る際、圧力鍋がなければ、普通の鍋でもよいが、その場合は材料を入れた後、沸騰したらさらに弱火で一時間ほど煮込むこと。
[材料](3人分)
とんこつ……………… 500g
卵……………………… 2個
トマト………………… 2個
金針菜、キクラゲ、
シイタケ………………各50g
ネギ、ショウガ、八角、
片栗粉、塩…………… e少々
麺……………………… 500g
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