10年前、日本語がまったくわからなかった陳涛さんは、期待に胸をふくらませて日本へとやってきた。今では、日本のNHKテレビの番組『中国語会話』にレギュラー出演している。その親しみやすさと知的な雰囲気が、日本の視聴者に慕われている。
中国の女性が、不慣れな環境の中で日本の視聴者に認められるというのは容易ではない。昼はアルバイトに精を出し、夜は時間を作り出しては日本語を勉強した。心身に疲労がかさみ、脱毛したこともある。しかし、「異郷の地にいて、両親に心配をかけたくなかった。たとえ苦しくても、歯をくいしばって頑張れば、乗り越えられるのです」とキッパリ。努力を重ねた彼女は、わずか半年間で日本語が使いこなせるようになった。そして今でも、日本語学習にはアルバイトが最適だと考えている。
1997年、中国のテレビドラマ『東京の上海人』が日本で出演者を募集した。幼いころに演技を学んでいた彼女は、ドラマの中の「小さな留学生」の役に選ばれた。その後は、ドラマの人気でテレビ局の目にとまり、アナウンサーにも抜擢された。この時から、生活が軌道に乗りはじめたのである。
2002年7月、中国四川省臥竜自然保護区が日本にパンダ保護協会を設立し、陳涛さんはその「パンダ大使」に選ばれた。「私の目が大きくて、パンダに似ているからだそうです。そういうご縁があったのでしょう」と彼女はニッコリほほ笑んだ。(写真・郭実 文・王浩)
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