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租界時代の建物をレストランにした「THE7(大公館)」 |
上海っ子で賑わう淮海中路の一角。1800平方メートルという敷地を誇り、外の喧騒とは無縁の静かな空間が広がるホテル「東湖賓館」がある。その7号館の洋館を利用したのが、レストラン&バーの「「THE7(別名・大公館)」。
1921年にユダヤ人商人の住まいとして建てられ、その後、当時の上海の顔役だった杜月笙が持ち主となったこともある。49年に新中国が建国されて以降は上海市政府の管理下にあるが、この7号館だけは3年前に民間人が借り受け、2002年に「THE7」としてオープンした。
租界時代の建築物が数多く残る上海ではここ数年、租界時代の建物を利用したレストランが増えていて、地元っ子の間でも人気がある。なかには、中国近代史に残る人物たちが住まいとして使った「THE7」のようなレストランもあるのだ。
「THE7」は、当時の政財界の大物たちが夜な夜な訪れたというだけあって、玄関から優雅な雰囲気だ。主人が賓客をもてなすためのゆったりとしたホールには、大きなシャンデリアが輝き、作り付けのマホガニーのベンチがある。
レストランは2階部分で、上海と香港の人気レストランで活躍したシェフが腕をふるう。上海料理やフカヒレなどの高級食材を使った広東料理が食べられる。
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優雅な雰囲気の大公館 |
邸宅だけあっていくつもの部屋があった。各室には、「サッスーンハウス」など当時を代表する建築物の名が付けられていた。そこここにアンティークの家具などがさりげなく置かれた演出は、80年以上前の時間に私たちをいざなってくれる。
一階のバーにも落ち着ける空間が広がる。ジャズの生演奏もあって、オールドシャンハイのムードたっぷりだ。昼間もオープンしているので、カフェとして利用できる。庭園に広がる鮮やかな緑と陽光が気持ちいい。
近代史を彩る人物の住まいがレストランに
洋館と並木道が続く華山路にある「丁香花園」は、昼間に訪れるのがおすすめ。丁香花園は、清朝末期に外務大臣を務めた李鴻章が、七番目の愛人・丁香のために約百年前に建てたもの。今も市政府が所有する庭園だが、その中のひとつの洋館がレストラン「丁香花園申粤軒」として開放されている。店名の「申粤」は上海と広東を指し、こちらも上海料理と広東料理を供する。
残念ながら一般に公開されているのは同レストランだけだが、昼間に訪れれば、龍の瓦、東屋がひっそり建つ池など美しい中国式庭園を眺めながら、飲茶などを楽しむことができる。
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陽光がたっぶりと差し込む「SASHA'S」 |
バーや茶館、ディスコなどが立ち並び、若者たちに人気の衡山路と、雑貨屋やエスニックレストランが連なる東平路。その交差する場所にカフェ&レストラン「SASHA'S」はある。この洋館の主となったのは、中国国民党を率いた軍人の蒋介石と、夫人の宋美齢。その後、毛沢東夫人の江青が住んだ時代もあるという。洋館のテラス側の窓は大きくとられ、陽光がたっぷりと差し込む。庭から眺める夜の洋館はライトアップされていて美しさもひときわだ。
同じく衡山路を南西に20分ほど歩いた場所にある「la Villa rouge」は歴史上の人物の住居ではなかったが1921年に建てられ、EMIレコードが所有したもの。一階がバー、2、3階はフレンチのレストランだ。
若者に人気の徐家匯に近いこともあって、一階のバーは週末ともなると席を見つけるのも大変なほどの賑わいだ。
変貌を続ける上海の街は、音の洪水のよう。喧騒に疲れたら、こんな歴史の空間にゆったり身をおくのもよいのでは。激動の20世紀とともに歩んできた洋館で歴史に思いを馳せながら、上海のひとときを楽しんでみるというのはいかがだろう。
THE7上海市淮海中路111〇号 TEL:(021)64157777
丁香花園申粤軒 上海市華山路849号 TEL:(021)62511166
SASHA'S 上海市東平路9号11幢楼 TEL:(021)64746166
la Villa rouge 上海市衡山路811号 TEL:(021)64316639
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