中国の南方では米作りが盛んで、人々はごはんを主食としている。米はまた、「麺」(穀物の粉)にすることができ、さまざまな「麺食」(小麦粉など穀物の粉で作った食べ物)ともなる。南方の人々は、それを「粉」と呼んでいる。
広東では、ビーフン(米粉)をつかった最もポピュラーな料理が「炒河粉」だ。作り方は簡単で、ぬるま湯でもどしておいた河粉(ビーフンの一種で、麺の幅が広い)に、牛肉や野菜を合わせて炒めればできあがり。簡単に作れるし、栄養価もとても高い。ファストフードでも、家庭料理でも、またレストランのメニューの上でも、おなじみの料理である。
広東では、市場やスーパーならどこでも加工されたビーフンが手に入る。その形は、北方の平打ち麺にそっくりだ。もともと北京では、ビーフンが南方のようには見られなかったが、食品の加工技術や流通システムが発達したおかげで、人々はごくふつうにビーフン炒めが食べられるようになった。
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カメラマンの郭実です |
炒河粉の作り方は、次のとおり。
@インスタントのビーフンは、三〜五分ぬるま湯につけて、やわらかくもどしておく。
A薄切りにした牛ロースに、小麦粉少々をまぶし(肉をやわらかく仕上げるため)、料理酒、ショウガのせん切りを加えておく。
Bニンニクの芽は、四センチほどの長さに切る。
C中華鍋に食用油を熱し、牛肉をすばやく炒める。牛肉はあらかた火が通れば、鍋から取り出す。
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市販されているビーフン |
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牛ロースとニンニクの芽、ショウガ |
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ぬるま湯でビーフンをもどす |
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すばやく炒めた牛肉 |
D鍋をふたたび火にかけ、食用油を熱して、もどしたビーフンを入れる。強火で炒め、うっすらと焼き色がついたら、炒めた牛肉、ニンニクの芽、塩、しょうゆ、お好みで化学調味料を加え、さっと炒めてできあがり。
お好みにより、野菜をさらに加えてもいいでしょう。
【一口メモ】
今回、使ったビーフンは、スーパーで手に入れた広東産の「インスタント河粉」。脱水技術を使って乾燥させたビーフンは、運搬や保存に便利だ。 日本では、スーパーやデパートなどの中華材コーナーでお求めください。
[材料](2人分)
ビーフン………………300g
牛ロース………………150g
ニンニクの芽…………100g
ショウガ………………少々
小麦粉、料理酒、食用油、
塩、しょうゆ…………少々
カラスムギ粉…………………500g
ジャガイモ……………………1個
ニンジン………………………2本
春雨(太め)…………………100g
ネギ、香菜……………………少々
しょうゆ………………………少々
ラー油、またはゴマ油………少々
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