「煎盒子」は、中国の北方の人々が、夏に好んで食べる麺食(小麦などの粉で作った食べ物)だ。焼き餃子より大きく、中国式の餡餅(小麦粉をこねた生地に具を入れて、焼いた食品)によく似ている。
東北地方の瀋陽がふるさとの本誌編集長・王衆一さんは今回、ふるさとの味の盒子を「改良」した「三鮮合子」を紹介してくれた。
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本誌編集長の王衆一さん |
王さんの三鮮合子は、ふつうとはちょっと違う。まず具だが、もともと北方の盒子は、夏野菜のニラと卵だけを具とした。手間をはぶき、安く作るためである。しかし、王さんが創造的なのは「三鮮餃子」の具を、盒子にとりいれたこと。味もグンとよくなった。
いわゆる「三鮮」とは、三種の具を指しており、それは「水・陸・空」の三つの食材に分かれる。エビ、豚肉、卵は、東北地方における「具入り麺食」の伝統的な材料だ。ちなみに、北京の三鮮といえば、豚肉、卵、キクラゲが一般的だ。
次に形だが、もともと盒子は、一枚の皮をさながら餃子を包むように二つ折りにして作る。ところがこの三鮮合子は、円形の餡餅となるよう、二枚の皮を合わせて作る。さらに見栄えがよくなるように、皮のふちにひだを作ってキッチリと包む。まるで、ひまわりの花のように愛らしい。
そして最後に王さんは、彼が作った「盒子」は「合子」という字で書き表すよう強調した。中国語の「合」は「集まる」という意味で、「盒」の発音と同じである。また、二枚の皮を「合わせ」ているので、一家が仲むつまじい、という意味もある。「三鮮合子」という名前を呼ぶと、中国文化と吉祥が表されるようである。作り方は、次のとおり。
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よくこねた生地と、具の材料のエビ、豚ひき肉、ニラ、卵 |
具の材料をよく混ぜ合わせる |
具を入れた2枚の皮を、端から順にひだを作りながらキッチリと包む |
具を入れた2枚の皮を、端から順にひだを作りながらキッチリと包む |
フライパンの上で約5分、うっすらと焼き色がつくまで焼く |
@小麦粉は、冷水を加えてよくこねておく。
Aエビは細かくたたく。卵は割りほぐして炒め、細かく刻む。ニラはみじん切りにする。
B写真Aを参照ください。
C寝かせておいた生地を24等分し、一つが厚さ約2ミリの丸い薄皮になるよう、のばす。
D写真BCを参照ください。
Eフライパンに油を熱し、Dを並べ、うっすらと焼き色がつくまで五分ほど焼いたら、できあがり。
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[材料](3人分)
小麦粉…………………… 500g
エビ……………………… 200g
豚ひき肉………………… 200g
卵………………………… 3個
ニラ ……………………… 250g
ショウガ、塩、食用油……適量 |
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