「清明上河図」には、北宋の都・開封の東門大街の清明節(西暦4月初旬)での賑やかな光景が描かれている。
東門大街では、各種の商業や手工業、商いが行われていて、馬上の官吏、カゴに乗った婦人、てんびん棒を担いだ人、荷車を引いている人、船を漕いでいる人など、様々な人が盛んに往来しているのが見える。複雑に入り組んだ絵は、人をうっとりさせる風俗絵巻になっている。
故宮博物院に所蔵されているのは張沢端の原画で、北宋皇室の収蔵品だった。しかし、北宋が金
(1115〜1234年)に攻めこまれた際、他の書画とともに略奪され、長い間、各地を転々としていた。
そしていま、保存されてきた中国の文物の中で、庶民の日常生活をそのまま描写した非常に価値ある作品となっている。
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