西洋ニンジンと鶏肉の炒め

西洋参炒鶏絲
写真・文 馮 進
 



  
【材料】(3人分)

  西洋ニンジン……… 2〜3本
  ささみ ………………… 400g
  キュウリ……………… 1/2本
  料理酒、片栗粉………… 適量
  植物油…………………… 適量
  ネギ、塩………………… 少々

 

西洋ニンジンを蒸し器に入れて蒸した後
蒸した西洋ニンジンを千切りにする
ささみを細切りにする
キュウリを千切りにする
弱火で炒める

 ハキハキとした性格の侯若虹さん(本社編集部)は、家族の「コック長」である。お嬢さんが大学に上がり、寮に入ってからは、夫との二人暮らし。生活もだいぶ楽になったので、薬膳料理に興味を持った。平日は書店によく通い、家庭薬膳に関する本をさがす。帰宅後は模索しながら料理を作り、やがて数多くの薬膳料理を習い覚えたのだという。そして友人が訪れるたびに、腕のほどを披露するのだ。友人たちがおいしそうに手作りの薬膳料理を味わっているのを見ると、たとえようのない喜びがこみ上げてくるのだという……。

 西洋ニンジン(アメリカニンジン、米国・カナダ産、朝鮮人参の近縁種)と鶏肉の炒め「西洋参炒鶏絲」は、侯さんが新たに覚えた家庭薬膳料理だ。準備はなにも複雑ではなく、西洋ニンジンとささみ、キュウリがおもな材料である。

 西洋ニンジンは、スーパーや漢方薬店で購入できる。中国には、それを料理に応用してきた300年以上もの歴史があり、清代の劉漢基著『薬性考』には西洋ニンジンの功能が描かれている。いわく「西洋ニンジンは、朝鮮ニンジンの味に近く、寒性(体を冷やす性質)の漢方薬である。甘苦く、陰を養い、熱を退け、ショウガとともに食すると、体の機能に有益である」という。こうして、西洋ニンジンと細切り肉の炒めは薬膳となり、その功能は言うまでもないだろう。侯さんによれば、この料理は炒める前に必ず西洋ニンジンを蒸すことがポイントだという。

 一口食べると、西洋ニンジンの苦味とキュウリのさっぱりした味が広がり、しつこさがない。おいしさを味わい、豊かな栄養をとるとともに、「気を補い、陰を養う」という功能を体験することができるだろう。虚弱体質の人に適しているが、セキや発熱など風邪の症状がある人は避けた方がよいそうだ。

編集部の侯若虹さん

【作り方】

 @西洋ニンジンは、蒸し器に入れて20分ほど蒸してから、千切りにする。

 Aささみは細切りにし、料理酒と塩、片栗粉をあわせた下味調味料にまぜておく。キュウリは千切りにする。

 B油を熱した中華鍋に、ささみを入れてよく炒めたら、取り出しておく。

 C油を熱した中華鍋に、細切りにしたネギを入れて炒めたら、西洋ニンジン、キュウリ、ささみを加え、サッと炒めてできあがり。