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サンザシと豚肉の炒め |
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仙人掌炒牛肉
写真・文 馮 進 |
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【材料】(3人分)
サンザシ……………………
250g
豚肉(赤身)………………400g
ショウガ、ネギ、料理酒、サンショウ、植物油、塩、砂糖、ゴマ油……………各適量
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サボテンの皮をむく |
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食用サボテンを細切りにする。 |
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牛肉を食べやすい大きさに切る |
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牛肉を下味調味料に15分ほど漬ける |
編集長室の張琴さんは近ごろ、家庭料理の「仙人掌炒牛肉」(食用サボテンと牛肉の炒め)を習い覚えた。食用サボテンには薬効があるため、それは薬膳料理とも言えるだろう。張さんによれば、食用サボテンの調理方法は多く、油で焼く、炒める、揚げる、あえる、スープにする等いずれもOKだという。
ヨーロッパやアフリカの国々や日本では、食用サボテンがわりあい人気のようである。中国南方の乾燥熱帯地域の野生サボテンは、トゲだらけで食感が悪く、生長が遅いので、その開発利用が難しい。一方、南米やヨーロッパの一部の国では、早くから大がかりな食用サボテンの栽培産業システムを整えてきた。とりわけ、メキシコのサボテン栽培は有名で、同国が「サボテン王国」と呼ばれるほどだ。
サボテンの薬用は、中国の民間でも早くから広まっており、書物に記載されている。清代の趙学敏・著『本草綱目拾遺』には、サボテンの薬効についてこう記されている。「サボテンは淡白な味で、寒性に属する。血行をよくし、解熱・解毒に効き、腫れを治し、痛みを止める。胃を強くし、下痢を止め、利尿作用で精神を安定させる。内外の服用により、多くの疾病を治療することができる」と。
中国は一九九七年、メキシコの連邦区ミルパ・アルタから「ミルパ・アルタ食用サボテン」の栽培技術を導入、専門的な栽培を進めて、各地の野菜市場に食材として供給している。しかし、多くの人々にとって、食用サボテンはまだ見慣れていないようだ。
張さんは、北京の市場やスーパーを多数めぐり、ようやくミルパ・アルタ食用サボテンを手に入れた。店員の話によれば、この種の食用サボテンは栄養が豊富で、多種のビタミンやミネラル、アミノ酸、カリウム、カルシウムなどが含まれている。コレステロールを抑え、血糖値を下げる効果が明らかになっている。よく摂取することで、新陳代謝を進め、消化を助け、免疫力を高めるなど、健康によい効能があるという。都会に住む人たちの生活レベルが上がるにつれて、食用サボテンは中国でも徐々に「トレンド」になっているのだ。
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編集部の王浩さん
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【作り方】
@サンザシを洗ったら、半分に切り、種を取る。
Aショウガは薄くスライス、ネギはざく切りにする。
Bサンザシは二分の一を鍋に入れ、水を加えて沸騰したら豚肉を入れる。
豚肉はなかば煮込んだら取り出して冷まし、長さ約三センチ、幅約一センチの拍子木切りにする。
Cショウガ、ネギ、料理酒、サンショウ、植物油、塩などを合わせた下味調味料に豚肉を一時間ほど漬ける。
D中華鍋にたっぷりの油を熱してCを入れ、キツネ色に変われば取り出しておく。
E油を熱した鍋に、残り二分の一のサンザシを入れて炒め、さらにDの肉を加えてよく炒める。仕上げにゴマ油と砂糖を少々加え、手早く混ぜたらできあがり。
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