西安ハイテク区
科学技術創業サービスセンター
                                       李耀武 宋頴群


西安ハイテク区創業サービスセンター(同センター提供)

 陳耀強氏はかつて、国有の西安鉄鋼研究所に勤めていた。1995年、彼は西安ハイテク区科学技術創業サービスセンター(企業の孵化器とも言われる)を訪れ、援助を求めた。

 サービスセンターは誠実に彼に対応し、彼の具体的状況に基づいて、「康鴻電子材料公司」を設立し、ハイテク区に登録するのを援助した。その上、家賃、水道・電気料、土地使用料などの費用を減額したり、支払いを猶予したりし、センターが企業家のために開いた企業経営に関する知識の養成教室に、陳氏を参加させた。その後、センターは、陳氏に必要な人材を推薦したり、招聘したりし、彼が、各分野の専門家が参加する新製品鑑定会を組織するのを援助した。

 陳氏の造った新製品の生産が始まったとき、センターは、株を買いあげる形で彼に「種子基金」を与え、資金不足を補った。「種子基金」は、企業が発展するのに伴って徐々に回収される。またセンターは、彼のために銀行ローンを借りてこれを担保とし、増加する研究開発の経費を支援した。

 1999年、センターの仲介で、陳氏は北京の清華大学と協力して、コンピュータや携帯電話、テレビに使われるファインセラミックス製品を開発した。その翌年、陳氏の公司は、さらに増資を行い、名前を「西安康鴻信息技術股キン有限公司」と改めた。このときセンターは、この企業のために、政府に対し数項目の資金援助と支援を申し込み、それを獲得した。2000年には、陳氏の公司はすっかり成長して、「孵化器」から巣立った。

 康鴻公司は、西安ハイテク区創業サービスセンターで、「孵化」するまで6年間を要したが、職員数は最初の10人足らずから、現在の200人以上に増え、資産も最初の10万元から数千万元に増加し、中国だけでなく世界的に知られたハイテク企業になった。陳氏自身も、一介の書生から優れた企業家となった。

「康鴻公司」の変圧器生産工場(同公司提供)

 西安ハイテク区創業サービスセンターは、1993年に成立したが、孵化事業はいくつかの専門分野に分かれており、すでに千以上の大小の企業がここから孵化し、すばらしい成績を収めている。

 サービスセンターは、創業者や創業者の企業にサービスを提供する専門の機構である。そのサービスは全般的もので、たとえば、企業の登録手続きや人材の招聘、共同利用施設の提供、管理に関するコンサルティング、資金援助、貸付金や担保の支援、各種技術と管理知識の教育、企業に替って行う国家の産業援助計画や政府から資金援助計画の申請、融資ルートの開拓、パートナー探し、市場開発の促進などを行っている。さらに技術者たちに資料閲覧の支援、汽車や飛行機のチケット購入、子女の入学などの代理業務をも行っている。(2004年4月号)