体を動かすことが好きな蔡小文さんは、かつては毎朝6時に起床し、早朝水泳を楽しんでいた。しかし仕事の忙しさから、いまでは週末にテニスに出かけるのが関の山。なかなか時間を捻出できない。

 小さい頃には、ダンスを習っていて、音楽への興味も並々ならないものがある。貯めたお金でピアノを買い、いまではピアノの個人レッスンまで受けている。歌を歌うことも好きで、おはこは、日本でも人気のテレサ・テン。

 彼女の仕事への態度に関して、同僚や部下は、「厳格そのもの」と口をそろえる。仕事でどんな失敗をしても、上司としてむやみに人を責めることはないが、逆にそんな姿が部下にとっては「恐怖」らしい。中途半端な仕事をすれば、自分の能力のなさを痛感してしまうからだとか。

 明るく温和な蔡さん。人としてもマネージャーとしても、尊敬を集めている様子が伝わってくる。


【AM8:00】
【AM8:30】
【AM9:50】
【AM10:30】
【AM11:20】
【AM11:30】

【PM3:00】

【PM5:40】
【PM7:10】
【PM8:00】
 

AM7:00
 起床、朝食。一時間で身だしなみを整えて出勤。勤務するホテルまでは徒歩10分。

AM8:25
 更衣室で制服に着替え、朝の管理職全体ミーティングへ。副総経理が進行役を務め、日程や役割を確認。約一時間で終了。

AM9:50
 フロントで宿泊状況を確認。

AM10:30
 今日は宿直マネージャー。予約の入っていない客室の衛生状況や水回り、電気などの機能をチェック。その後、事務室のデスクで事務処理。

AM11:30
 従業員食堂で同僚とともに昼食。食堂では、工事部のスタッフと不具合のある客室のカギの修理について相談。昼食後には休憩室で仮眠。

PM1:00
 ロビーに戻る。

PM1:20
 ビジネスセンターで、部下と簡単なミーティング。当日の仕事を確認。髪を束ねることなど、身だしなみへの注意を徹底。

PM2:00
 ロビーを見回り、長期滞在の日本人宿泊客にあいさつ。同僚のミレーナと業務状況を確認。

PM3:00
 許可を得て自宅に戻り、修理工に依頼していたスチーム暖房の修理に ァち合う。

PM4:30
 代表電話のオペレーター室の状況を確認。

PM5:40
 規定の退勤時間となり、同僚と歓談。ただ、管理職として数多くの残務があり、今日も残業。

PM7:00
 ホテルのカフェで夕食。その後、ホテルの30階にあるラウンジの当日の売上額を確認。

PM7:40
 帰宅。ピアノを弾いてリラックス。

PM9:00
 インターネットのチャット(おしゃべり)機能で、米国で学校に通う息子と交流。テレビを見る。

PM11:00
 就寝。

 

 

 

 
 
かばんの中身を
ちょっと拝見!
  バッグ(約300元)。明るい色でファッショナブルなバッグを好む。  
  名刺ケースと名刺。
 
  イベントでもらった化粧ケース。中にはハサミ、爪切りなどもある。
 
  文具ケース。ボールペン、ペン型のICレコーダー(約1000元)、メモリースティック(約400元)などが見える。仕事に必要な道具への投資は惜しまない。  

  携帯電話(約2000元)。通話代は毎月200元程度。  
  ビタミン剤と美容薬。  
 
  通信販売で買ったカードケース。各種カードは大好きなショッピングで重宝。  
  北京新世紀飯店の従業員証。従業員食堂の支払いカードにもなる。  
  電子新英漢字典(約400元)とPDA(電子手帳、約500元)。蔡さんは日本語だけでなく英語にも精通。  
  フランスの化粧品「ランコム」。無数の宿泊客と接するため、身だしなみには細心の注意を払う。  
  日本の友人からプレゼントされた万歩計。取材日は7000歩だった。  
 
 


プロフィール
江蘇省南京市生まれ。南京大学外国言語文学学部で日本語を専攻。鉄道部(部は省庁に当たる)、日系企業や銀行の北京事務所などに勤務。日系企業には合計で11年間在籍し、副代表を務めたことも。1998年、現在ロビーマネージャーを務める北京新世紀飯店(ホテル)へ。夫と18歳の息子は仕事と勉強の関係で米国在住。両親は南京在住で、それぞれ編集と経理の仕事をしている。