2003年、中国の一人当たりのGDP(国内総生産)が初めて1000米ドルを突破した。国際的な前例のとおり、この分岐点では相反した2つの現象が起こる。
一つは、「黄金の発展期」に入ること。すなわち、比較的長期にわたり高成長を続け、現代化と工業化を順調に遂げるというケースである。
もう一つは、いわゆる「ラテンアメリカ現象」である。これは、さまざまな突出した矛盾を適切に処理できないため、貧富の差の拡大、失業の激増、社会矛盾の拡大を生み、ひどい場合には社会の混乱や後退を引き起こすケースである。
北京大学政府管理学院の李強教授は、楽観的な立場に立ち、中国政府は現在、権威主義型から責任型への転換を進めていて、制度化された民主的なメカニズムを作りあげるために、基礎を打ち立てていると強調する。
また、国務院発展研究センターマクロ経済研究部の盧中原部長は、経済、政治、社会改革の絶え間ない深化と加速は、中国の現代化の過程が、安定的に「黄金の発展期」に移行することを保証するとの考えを述べている。
『新聞週刊』 国有企業の撤退、サッカー界の変化
2003年12月26日、国有企業の紅塔グループが、6年間所有した雲南紅塔サッカークラブを3800万元で重慶力帆グループに譲渡した。「国有企業がサッカー界から撤退する」――これは、近年の中国サッカー市場化の過程で、日に日に明確になる流れであり、紅塔グループの撤退は、もっとも象徴的な事件として記憶されている。実際、2000年以降、サッカーのトップクラブを所有してきた国有企業は、ほとんどが撤退した。
中国サッカーがプロ化した1993年から、10年が経過した。しかし、中国サッカーは、当初の期待とは反し、裏工作やバブル、経済危機、不良資産化などの文字と結びつけて考えられるようになった。
サッカー関係者は、国有企業の撤退と新しい資本の流入にともない、サッカー産業に新たな風が吹き込まれつつあると述べる。人々が中国サッカーに寄せる希望は、単にプロリーグそのもののレベルアップだけではなく、規範化されたクラブ運営のプロセスと監督メカニズムを整えることを通して、次第にサッカーに対する悪い評判を断ち切り、より多くの支持と信頼を勝ち取り、最終的に試合のレベルを押し上げていくことにある。
『瞭望東方週刊』 富を手にした人の参政
2003年以降、100人以上の民営企業の代表が、北京で開催された「両会」(全国人民代表大会と全国政治協商会議)に参加した。これほど多くの代表が、民営企業から参加したのは初めてのことである。
「富を手にした人の参政」は、彼らが直接政治の過程に影響を与えるだけでなく、中国のイデオロギーに目に見える物質的利益をもたらす。実際、合法的な私有財産の保護の憲法への明記から、企業の参入分野の拡大まで、すべてが「民営企業の利益集団」の参与によって促されたものである。
社会主義市場経済の体制下で、資本は、二度と邪悪な名詞ではなくなった。しかし、民営企業がさらに発展するためには、現実にはさまざまな困難が横たわっている。そこで、この新興の社会階層の経済力の拡大にともない、企業家は政治の場での発言権を求めはじめている。そして、民営企業の経営者が、自ら資金を投入して国の法律を起草したことは、民営経済人の政治参与の力も明らかに大きくなったことを示している。彼らは、立法、法律修正のさらなる高みに向かっていて、自身の全国人民代表大会代表の立場も、一種の名誉から「職業」に変わろうとしている。
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