25歳の易さんは、近く大学院を卒業する。しかしまだ、就職先が正式には決まっていない。すでに百通近い履歴書を送ったが、返事はほとんどなく、面接までたどり着いた数回も失敗に終わっている。
彼女のような大学生や大学院生は、決して少なくない。2003年には、中国の大学生の就職率は、わずか70%になった。これは、数年前から順次行われた大学生募集枠の拡大が影響しているもので、今夏卒業する大学生総数は280万人と、前年と比べさらに68万人増える。就職難がより深刻化することは、間違いない。
20年以上の改革・開放により、中国経済は急速に発展したが、同時に、差し迫った就職難をもたらしている。ある統計によると、03年末の中国都市部の失業者数は800万人で、失業率は4・3%に達した。そのうち、35歳以下は70%前後を占める。
昨年のアメリカの失業率6%やドイツの10・4%と比べると、中国の就業環境はまだ厳しくはないとの見方もできる。
しかし中国は人口大国で、教育レベルが低く、労働力も長期的に供給過剰の状況が続いている。経済構造の絶え間ない調整にともない、多くの労働者がレイオフされるか失業し、また農村の余剰労働力の都市部への移動、労働適齢人口の急速な増加などの問題が横たわる。これらすべてが、就業問題を他国以上に複雑にしている。
中国政府は現実には、一貫して就業問題を重視してきた。1980年代半ば、失業保険制度を整備し、積極的に労働市場を育成、発展させ、公共就職サービスシステムの改善に努めた。レイオフされた従業員の就職問題に関しては、国が再就職サービスセンターを設立し、資金、税金、社会保障、技能育成などの面で、便宜性と優遇を与えている。
今年四月、『中国の就業状況及び政策』という白書が公布された。同白書では、現実を客観的に分析しながら、中国は今後20年間、引き続き就職難と向き合うことになると指摘している。同時に、今年は900万人の就業機会を創出し、都市部の失業率を4・7%前後に抑える目標を示した。2020年までに、就業者総数が8億4000万人に達するよう努力し、失業率を社会的に許容される範囲に抑えるとしている。
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