22歳の万瑶瑶さんと一緒にいると、だれもが楽しくなってくる。小さいころから歌や踊りが大好きで、笑い声が絶えなかった。それで彼女の母親は、落ち着きのない「多動症」ではないかと疑ったほどだという。
北京電影学院の演劇学部の2年生だ。同学院は中国でもっとも優れた映画学院の一つで、有名な映画監督の陳凱歌、張芸謀、そして映画女優の趙薇はいずれもここの学生だった。そうした学院に進学し、誇らしかったが、その一方で学院の生活はとても単調で、無味乾燥にも思えたという。生活をより豊かなものにしようと、彼女は自主的に外の世界で違った暮らしを探そうとした。たびたび人が大勢集まるバーなどに出かけ、時には友人と夜遅くまで遊んでから帰宅した。「役者として違った生活に触れるのは必要なこと。そうしてこそ自分の演技力が高まると思うの」と彼女は言う。
学院のほかの学生と異なり、万さんはすでに高校時代から演劇・芸能生活をはじめていた。当時はまだ17歳。あるフライドチキンの会社が、広告に起用する2人の若い女性を募集した。万さんがカメラの前に立ったとき、プロデューサーは一目でその元気いっぱいの女の子が気に入ったという。若くてきれいな彼女は現在、日本の電通、ホンダ、中国の聯想などの多くの有名企業や広告代理店から、次々と広告に起用されるようになっている。
中国の新世代の俳優の一人として、万さんはある日本の生活雑誌の単独インタビューを受けた。それはとても印象深い経験だった。「日本の若い人たちはとてもオシャレで、上品でした。それは私に良い印象を与えてくれた。私の役者人生はまだ始まったばかりですが、もしできるなら(役者として)日本で一旗揚げてみたいですね」と彼女は大きな夢を語ってくれた。
表紙写真・馮進 文・王浩
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