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省直属の50部門が集まり、878の行政許認可を取り扱う吉林省人民政府の政務ホール。各種手続きを短期間で済ますことができるようになった。 |
「こんなにスムーズに手続きができるなんて思いもしなかった。20分もかけずに申請が終わり、2、3日後には営業許可証を手にできるなんて」
天津市南開区政府の行政許可サービスセンターで、新たに企業設立登記を行った周さんは、興奮してこう語った。
7月1日に施行された『行政許可法』の規定により、すべての行政許可手続きを一カ所で行うことができるようになった。しかも窓口が一つに統合されたため、認可にかかる時間も大幅に短縮され、煩雑さも軽減されている。かつては、全手続きを終えるまでに約半年かかり、百以上の認可印を押してもらう必要があったのだから、大きな前進である。
行政許可(行政許認可と同義)とは、第三者や公共利益に損害を与える事態の発生を未然に防ぐために、法にのっとり、行政機関が社会、企業などの経済行為を監督管理する重要な手段である。
しかし中国では、長年の計画経済の影響で、「許認可を重視し、管理をおろそかにする」、ひどい場合には、「許認可を管理に代える」という行政管理モデルが出来上がり、行政許可の氾濫、許可手続きの複雑化、許可申請過程での裏取引、腐敗などの様々な弊害を生み、経済発展のネックになっていた。
そこで1996年、関連部門は『行政許可法』を起草するための調査研究を開始し、草案をまとめた。その後広く意見を募り、研究を重ね、2003年8月にようやく採択され、今年7月1日に施行された。
現在、同法の要求に照らし、各部門は相次いで許認可手続きを簡素化し、許認可行為を規範化させている。国務院の関連部門だけでも、3回に分けて、1795項目の行政許認可を取り消したり、調整を加えたりした。これは、許認可総数の48・9%を占める。
また25の省、自治区、直轄市が、1843の政務センターを設立し、一般大衆に一連のサービスを提供している。同時に、ウェブ上での許認可も可能になった。
『行政許可法』は、政府の許認可権限を大幅に縮小するもので、行政権が及ぶ合理的なラインを定めている。これは、中国政府がいま、「管理する立場」から「サービスを提供する立場」への転換を試み、政府行政の「自己改革」を始めようとしていることの表れである。
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