「色紙山水画を描く」B    講師 里燕先生
今月のテーマ「靄」

 
     
  @伝統的な和紙である鳥の子紙の色紙を用意する。まず、霧吹きで色紙を湿らせ、浮いた水分をふき取る。中墨を中筆に含ませて、上から松の木の幹を描く。根元近くの霧を表現するために、もう一度霧吹きをして、筆で形を整える。
     
  A同じ筆で、@と同じ方法で横に伸びた太い枝を描く。
     
  B小枝を描く場所を少々湿らせて、@Aより少し薄い墨で、小筆を使って小枝を描く。一部は色を自然な感じでにじませ、幹や枝に濃い墨で苔を描く。
     
 
 

C小筆で@Aより少し濃い墨で松葉を描く。一部の松葉と小枝は@Aと同じ色でよい。

 

※ポイント 靄の雰囲気を出すために、描く際には色紙を常に湿らせ、自然に墨をにじませる。
 


  プロフィール
里燕(りえん)。1973年から趙不仁氏に書道、南画を学ぶ。1988年から日本在住。現在、フェリス女学院大学の水墨画講師、日本国際文学芸術家連盟理事、国際水墨芸術促進会常務理事。著書に『水墨山水画百選』(木耳社)、『南画山水を描く』『色紙に水墨画を描く』『色紙に山水画を描く』(以上、誠文堂新光社)、『竜光・里燕水墨画集』『巨匠の技を学ぶ』(以上、日貿出版社)がある。