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中国の世界遺産が30件に


 

 今年7月、江蘇省蘇州市で開かれた第28回世界遺産委員会会議で、吉林省集安市の高句麗王城、王陵、貴族墳墓などからなる「高句麗の首都と古墳群」が、世界文化遺産リストに登録された。また、明清代の皇宮群として遼寧省の「瀋陽故宮」と、清代早期の皇族陵墓群として遼寧省の「盛京三陵」がそれぞれ、世界文化遺産リストに追加登録された。これにより、中国の世界遺産は合わせて30件に上り、イタリアとスペインにつづく第3の「遺産大国」となった。

 今回登録された高句麗王城、王陵、貴族墳墓には、主に五女山城、国内城、丸都山城、12の王陵、26の貴族墳墓、高句麗政権の起こりと歴史が詳しく碑文に刻まれた「好太王碑」などの遺産がある。史書の記載によると、高句麗は紀元前37年に建国され、668年に唐と新羅の連合軍によって滅ぼされた。中国の著名な高句麗専門家で、吉林大学歴史学部の魏存成教授は、「高句麗は古代中国の東北辺境に存在した、もっとも歴史ある少数民族の政権だ。高句麗文化は中華文化の重要な構成要素のひとつである」と語っている。 (新華ネット)


「湿地使者行動」長江流域プログラムが始動

 世界自然基金、国際湿地公約秘書処、メコン川委員会、中国林業局『湿地公約』履行室が共同で組織し、実施する「生命の河、高山から大海まで――2004湿 n使者行動」がこのほど、江西省で、長江流域プログラムの開始式を行った。これにより、同行動はじっさいの運行段階に入った。

 「湿地使者行動」は、世界最大の環境NGO・世界自然保護基金が2001年にスタートした一種の環境保護活動。おもな活動は、湿地生態の保護と環境建設などで、参加するのは各国の大学生、環境保護団体、その他民間の環境保護団体を主としている。今年の同行動は、長江流域と瀾イラ江を含むメコン川流域で行われる。中国をはじめ、ラオス、カンボジア、ミャンマー、タイ、ベトナムにわたる6カ国で、大規模な湿地保護と生態建設の宣伝活動が次々と行われることになっている。(新華社)


日・加・韓の芸術展覧会を北京で開催

 

 中国人民対外友好協会、カナダ世界文化交流協会共催の「日本、カナダ、韓国の絵画および工芸品芸術展」がこのほど、北京の国家博物館で開幕した。開幕式には中国美術家協会、中国工芸美術学会、日本、カナダ、韓国の駐中国大使館などから関係者が出席した。

 この芸術展には、日本、カナダ、韓国など103人の芸術家による132点の作品が展示された。その中には絵画、伝統工芸、現代工芸、彫刻、写真などの作品がある。日本の出展者は81人で作品は98点、カナダは16人で作品は19点、韓国は6人で作品は15点である。 (写真・張春侠)


南京博物院で殷墟甲骨を展示

 

 中国の南京博物院でこのほど、殷墟の甲骨1500点あまりが展示された。同博物院の徐湖平院長によると、今回出展されたのは同博物院の珍蔵品。商・周時代の天文暦法、軍事討伐、祭祀活動など社会・生活の各方面にわたる内容が刻まれており、「きわめて高い歴史的価値がある」という。

 殷墟甲骨は、3000年以上の歴史をもつ。商王朝が亀甲や獣骨を利用して、吉凶の時刻を占った言葉や、関係する文字が刻まれており、目下、中国で発見された最古の文字記録とされている。現在、翻訳されている甲骨文字は1700字あまりだが、それにより商・周時代の軍事、天文、暦法、各種の社会状態をひもとくことができるという。(『文匯報』)



甘粛省の4県でユネスコが民謡を採録

 甘粛省民間文芸家協会によると、同省永靖県など4県がこのほど、ユネスコの少数民族の民謡採録モデル地域となったことが正式に発表された。

 同省粛南ユイグー族自治県、積石山パウアン族トンシャン族サラ族自治県、岷県、永靖県の4県に住むユイグー、トンシャン、パウアンな ヌの少数民族は、独自の言語を持つが文字はなく、同地の民謡は伝承が途絶える危険に瀕していた。そのためユネスコと中国民間文芸家協会が立ち上げた「中国少数民族民謡保護行動」の視察団は、数年をかけてこれらの民族の民謡を整頓して本とCDにまとめ、同地の学校に配布していた。(『新京報』)

 
内地と香港で大学学位を相互に認める

 

 中国教育部の周済部長と、香港特別行政区教育統一計画局の李国章局長はこのほど、北京で『内地と香港の高等教育学位証書を相互承認することについての備忘録』にそれぞれ署名した。これは、内地と香港の人材交流の需要を考慮し、教育事業の発展をめざして行われたもの。

 近年来、内地と香港の教育関係の協力と交流は発展しつづけており、多くの内地の青年たちが香港の大学への進学を希望している。また、ますます多くの香港の学生たちも、内地の大学への進学を希望している。内地の最難関大学である北京大学と清華大学は今年6月、香港で初めて試験免除による学生募集を行った。それは、香港のトップクラスの学生たちの「北上求学」(北に学問を求める)ブームの幕開けとなったようだ。(『深ロレ特区報』)


欧州27カ国の団体旅行、中国公民に開放

 国家旅遊局はこのほど、9月1日から、中国公民のヨーロッパ27カ国への団体旅行業務を行うことを許可したと明らかにした。団体旅行が可能になる国は、オーストリア、ベルギー、キプロス、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ギリシャ、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポーランド、ポルトガル、アイルランド、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、ノルウェー、アイスランド、スイス、リヒテンシュタイン、ルーマニア。

 業界関係者は、上述した国々への旅行開放が、中国とこれらの国の人々の相互理解を深め、相互交流や往来を推進し、貿易・経済、科学技術、文化などの分野の協力関係にもプラスの影響をもたらすと指摘する。これは、中欧の観光交流史におけるメルクマールである。(『新華毎日電訊』)


中国民間文芸家協会が日本人研究者の寄贈を受ける

 

 中国の民間文化遺産救援プロジェクトを推進している中国民間文芸家協会(主席・馮驥才)は6月27日、北京の民族文化宮で、日本人年画研究者らによるコレクションの寄贈を受けた。

 貴重なコレクションを寄贈したのは、日中民間芸術協会会長で日本の年画研究家として知られる樋田直人氏(工学博士)と、同協会中京支部長の浅見汎氏の2人。中国で2003年より進められている民間文化遺産救援プロジェクトの活動を知り、これを支援しようと、数十年にわたって学術研究のために収集してきた文物を無償で寄贈したもの。内訳は、「火神」「竜王」を両面彫刻した古い版木、天津楊柳青・山東楊家埠などにおける年画作品、研究資料やビデオなど合わせて1000点以上。

 贈呈式で馮驥才主席は、「貴重な文物を自分のためでなく、中国のために収集してくれたといえるでしょう。グローバルな視点で人類文化を保護するという、立派な学者精神を伝えてくれた」と感謝の意を表し、樋田氏らに「栄誉証書」を手渡した。これに対し、樋田氏は「これからも年画の科学的調査を進めるなど、中国民間文化の救援・保護のために尽力していきたい」と抱負を語っていた。 (写真・小林さゆり)


消費観念、北京、上海、広州で大きな差

 

 零点集団(ゼログループ)が最近行った調査によると、北京、上海、広州の3都市で、市民の文化的気質や消費観念に大きな差があることがわかった。北京の人は、「好きなことになら、どんなにお金をかけても構わない」、上海の人は、「意味があることにお金を使いたい。味わいも重要」、広州の人は、「投資先を選び、自由気ままに生活する」という立場を取る。今回の調査は、3都市への進出を計画する店舗が、それぞれの都市でマーケティング戦略を立てるために行われたものである。(『中華工商時報』)


中国の年金制度、課題が山積み

 

 中国の60歳以上の人口は現在、1億3000万人と予想され、総人口の10%以上を占める。国際基準に照らすと、中国がすでに高齢化社会に突入しただけでなく、高齢化にさらに拍車がかかっている。今後50年で、中国の扶養率は、現在の10.6対1から3.3対1に下落すると予想され、社会保障制度の整備が急務になっている。

 世界銀行の専門家の予測によると、中国が2033年になっても、納付された資金を運用せずに、直接高齢者に支払うという現在の社会保障制度を変えないと仮定すると、納付税率を39%という高率にすることではじめて、制度を維持することができる。

 このような状況下では、制度の維持は不可能である。世界銀行が報告書で指摘するように、中国でもっとも有効な対策は、「他の国と同様に、まず、基本貧困ラインに相当する最低収入を保障する固 闢チ別手当制度を作り、同時に、高齢者のためにその社会や職業的地位に応じた納付制度を作る」ことである。 (『新京報』)


三峡ダムの発電総量、年258億キロワット時に

 昨年7月10日から今年7月10日までの1年間で、三峡ダムの累計発電総量は、258億キロワット時に達した。昨年7月、三峡ダム初のユニットが、前倒しで配線を終了し、発電を開始していたが、その後、ユニット全体の容量は560万キロワットに達し、全国最大の発電能力を誇る発電所となった。同発電所の労働生産性は、世界的に見てもトップレベルにある。

 また、空前のプロジェクト規模として注目を集めた三峡閘門も、先ごろ引渡しが終わり、正式に運用が開始された。三峡閘門は9年をかけて建設された全長6.4キロの閘門で、1万トン級船舶が通過できる。

 難度のきわめて高い設計から施工、加工、建設、運用開始までのほとんどすべての工程を、中国が独自に行ったプロジェクトである。これは、中国の関連産業の技術が、すでに世界最先端のレベルにあることの証明である。(新華ネット)


深セン、中国で初めて農村戸籍を廃止

 

 深セン市ではこのほど、今年10月31日までに、同市在住者の戸籍をすべて都市戸籍に変更すると決定した。これまで集団所有だった土地は接収され、国有となる。これにより深センは、中国初の農村がなく、農民もいない都市になる。この決定は、「宝安、竜崗の両区都市化モデル及び普及の呼びかけ総会」で発表された。(『北京青年報』)


加藤登紀子さん、北京で環境保護コンサート

 

 国連環境計画(UNEP)の親善大使である歌手の加藤登紀子さんが7月、北京で環境保護に関する対談とミニコンサートを行った。

 コンサートで加藤さんは、NGO(非政府組織)「自然の友」代表の梁従誡会長と環境保護をテーマに意見を交わし、中国の聴衆になじみの歌を披露した。

 中国人民対外友好協会、中日友好環境保護中心(センター)などの関係者が、同コンサートに足を運んだ。 (写真・于明新)


北京のタクシー、新規認可を中止

 北京市運輸管理局はこのほど、タクシー台数を抑制するため、タクシーの新規認可は行わないことを明らかにした。

 北京市タクシー業界協会によると、北京のタクシーは現在、6万3000台以上に達している。このような情況を受けて、市では、『タクシー通用技術条件(標準)』の草案を作成し、市技術監督局へ提出した。

 同標準は、自動車の排気量については具体的な規定を設けていない。これは、国の関連部門が、排気量を基準に地元以外で生産された自動車を排除してはならないと要求しているからである。そのため新標準は、エンジン出力パワーへの要求にとどめ、エアコンの搭載、排気ガス基準をユーロ・に相当させることを保証しなければならないとしている。 (『北京晩報』)


中国曲芸家協会の代表団が訪日

 

 日中文化交流協会の招きで、中国曲芸家協会主席の劉蘭芳氏を団長とする中国曲芸家協会の代表団9人が日本を訪問した。

 日中文化交流協会は、東京のホテル・ニューオータニで歓迎式典を催し、同協会代表理事の森塚敏氏、白土吾夫氏、日中友好会館理事長の村上立躬氏ら、日中友好団体の代表や文芸界の人士約200人が出席した。訪日団の団員のほとんどは、「地方曲芸」(大衆演芸)、「評弾」(語り物)、「説唱」(語りと歌のある演芸)の芸術家だった。

 歓迎式典では、団長の劉氏らが「京韵大鼓」「西河大鼓」「評弾」「評書」(講談)などの演芸を披露した。(東京支局長 張哲)