『南方週末』北京五輪の「スマート化」

 

 2008北京五輪メーンスタジアム・愛称「鳥の巣」の建設が、7月30日から停止されている。その原因は、4人のアカデミー会員が温家宝総理に出した一通の手紙だった。そこには、大きいもの、新しいもの、西洋的なものを求めすぎると安全と費用の上で問題が出てくる。これは五輪建設の「決定的なミス」だと指摘されていた。実際に施工の段階に進むと、このことはいっそう明らかになり、特に「鳥の巣」はひどかった。鋼材消費指数が高すぎたばかりでなく、建築の安定性・安全性にも問題があり、実に巨大な浪費と危険の産物にすぎなかった。

 政府はこの上書を重要視し「鳥の巣」の設計方案の改正を導いた。さらに元来38億元であった予算を31億元に削減した。現在調整中の五輪会場は「鳥の巣」だけではない。「スマート化」は全ての五輪建設工程に及んでいる。「現存施設の利用と新築施設の規準調整」これが五輪会場の基本原則となった。これによって節約された資金は、都市のインフラ建設に利用する。

 この「上書事件」は温総理が「倹約の五輪開催」を進める大きな契機になった。北京オリンピック組織委員会は五輪会場の建設費205億元をさらに20〜30億元カットしたいと考えている。

『新聞週刊』 「NO」と言う出稼ぎ労働者

 

 「世界の工場」である珠江デルタ地域の中核都市・東莞では、20万以上の加工工場で江西、湖南、四川省などの内陸の出稼ぎ労働者600万人以上を雇っている。その上さらに多くの出稼ぎ労働者たちが仕事を求めてやってくる。しかし今年3月以降、出稼ぎ労働者が不足しはじめた。

 これは珠江デルタ地域に限らない。中国労働力市場情報網調査センターによると2004年第2四半期、江蘇、浙江、福建、広東省の12都市で労働力市場での求職者は70.4万人だったが、求人数は108.7万人で、38.3万人足りなかった。

 過度な長時間労働、待遇の悪さ、劣悪な環境、賃金の未払いなどの問題が企業の「労働者不足」を招いた直接の原因だ。以前に比べると、出稼ぎ労働者の知識レベルは高くなり、自らの権利を守ることもさらに重要視している。また、社会参与の意識をだんだんと持つようになり、組織的に行動するようにもなってきた。遼寧、浙江省などの出稼ぎ労働者組合の出現はそれを証明している。

 出稼ぎ労働者がすでに新しい社会階層となり、中国で立ち上がり、社会の発展を推し進める大きな力となっていると専門家はみている。

『生活週刊』「全責任は車側に」争論を巻き起こす新法

 

 新しい『道路交通安全法』が立法過程に入ってから争論が絶えない。北京市は『道路交通安全法』の実施方法について、市民から意見を聞いた。これがさらに争論を巻き起こした所以である。


 通常、法案は人民代表大会の立法過程に入ると、3回の審議を経て成立する。しかし『道路交通安全法』は4回の審議を経て、ようやく5月に正式に実施された。1988年に実施された『中華人民共和国道路交通管理条例』と比べると、新法の進歩は明らかである。秩序管理面では通行人は「比較的優先」から「絶対優先」になった。もし交通事故が発生したら、運転手はまずけが人を助けなければならず、その後ようやく事故の処理ができる。また、自動車損害賠償責任保険への加入も強制的に義務づけ、あらかじめ賠償問題の争いを解決した。

 元来の「責任をみて罰し、責任の所在があいまいな場合は等しく責任がある」から「(責任の所在があいまいな場合)全責任は車側に」に変わり、人命をさらに尊重している。しかし、実際に実施されると様々な問題や矛盾が現れ、新法に対する争論がさらに激しくなっている。