地下鉄、国際貿易センター駅を足早に行くビジネスマン。北京の街の中で、一番時間が早く流れているのはこの近辺かもしれない。
中国は一昨年、世界一の携帯電話市場、世界第二位のパソコン市場になった。都市部の発展とともに、中国の時間は急速に動きだしたように感じる。
古い町並みの残る胡同を、幼いころの記憶をたどるように歩いていると、路地一つ挟んで、ここは、ロサンゼルス?
と錯覚するような高層ビル群が、いきなり顔をのぞかせる。ふと、今、私はいったい何処の時空に立っているのかと、わからなくなってしまうことがある。
私は、ゆっくり流れる中国の時間が大好きだった。そんな時間をここで過ごせなくなることはさびしいけれど、何十年もの時間の流れが同時に動いている街は、きっと世界中ここにしかないだろう。そんな不思議なタイムトリップも、一つの時代の流れとして、体験していきたい。(写真・文 佐渡多真子)
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note
中国の携帯電話の加入者数は、2003年末までに累計2億6869万。いまでも1カ月500万の新規加入がある世界最大のマーケットとなっている。
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profile
佐渡多真子(Tamako Sado )
1990年、フリーカメラマンとして独立し、日本の雑誌などで活躍。95〜97年、北京大学留学。その後、北京を拠点とした撮影活動を続けている。写真集に、『幸福(シンフー)?』(集英社)、『ニーハオ!ふたごのパンダ』(ポプラ社)がある。 |
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