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于文=文・写真 |
人民中国雑誌社は昨年11月4日、日本から来た六人の読者を迎えた。いずれも本誌『人民中国』の二十数年来の愛読者で、于明新社長の「老朋友」(古い友人)である。彼らは、本誌に掲載された「北京市民の生活を体験する五日間」という募集広告を見て、興味を覚えて北京へとやってきたのだった。 座談会で、メンバーの西村孝子さん(86歳)は、昔を懐かしんで言った。「昔、于社長といっしょに長江の三峡下りをしましたね。その時から『人民中国』とは、切っても切れないご縁ができたのです」。于社長は、「当時は中国地図を見ながら、どこへ旅するかを決めましたよね。北は黒竜江省同江から、南は海南省三亜まで、中国の大半を旅行しました」と振り返った。 本誌の編集については、星野稔さんが「誌面に繁体字と簡体字の説明を増やしてほしい」という要望を出した。また、小林義雄さんが、日本人としての視点で中国の汚水処理について意見を出した。最後に、于社長が「2005年は、諸葛孔明の子孫のふるさと、浙江省の諸葛八卦村などを旅する計画です。山東省の泰山でお会いしましょう」と語った。 読者たちはこの夜、北京・什刹海そばのレストラン「格格府飯店」で、清代から続くという宮廷料理に舌鼓をうった。レストランで宮廷舞踊を観賞し、なぞなぞ遊びに参加するなど、百年以上前の宮廷生活を味わった。 11月5日、6日は、北京市西南郊外の韓村河村へと足を運んだ。農村での生活を体験したのである。韓村河村は、北京でも最も豊かな村の一つ。各世帯はいずれも二階建ての家屋に住んでいる。読者たちも、建築面積300平方メートルもの大きな農家に一泊した。
ここの料理は独特で、いずれも農家が栽培した新鮮な野菜を使っていた。化学肥料を使わないので、環境保護にも、人々の健康にも役立っている。トウモロコシ粉は、収穫されたばかりのトウモロコシを機械でひいたものだった。読者たちは、とくにそのトウモロコシ粉と大豆粉をまぜて、円錐形にして蒸した食品・窩頭が好きだった。岩瀬信光さんは、数十年前に窩頭を食べたことを思い出し、感慨もひとしおの様子だった。 農作業の体験では、小林義雄さんがその腕前を発揮する機会となった。ビニールハウスでは慣れた手つきでトマトの枝の剪定をして、地元農家が絶賛するほどであった。青木多多益さんも剪定を体験し、農作業の楽しさを覚えたという。読者たちはまた、自らニンジンやサツマイモを収穫した。韓村河村で楽しい時を過ごしたのである。 別れに際し、小林さんは今回の旅について、「30年ぶりに北京に来ましたが、驚くほどの変化でした。高層ビルが建ち並ぶ都市は言うまでもなく、農村ですらこんなにも発展して、敬服するに値します。韓村河村のエンジニアたちと交流できたら、もっとよかった」。岩瀬さんは、「北京の発展を目にして、市民の生活を自ら体験することができた。また、人民中国雑誌社で、座談会に参加でき、この上ない喜びでした」と、この旅の収穫を語っていた。 |
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