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竜井茶の茶畑
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今回は、緑茶の中でも最も有名なお茶を紹介します。
★竜井茶
浙江省杭州市の西湖西南にある竜井村周辺の山間部から産出される西湖竜井茶は、「淡粧濃抹総てに相宜し」と言われる西湖と「竜泓井」の聖水から名付けられました。
茶園は主に獅峰山、竜井村、霊隠寺、五雲山、虎ナワ泉、梅家塢一帯の海抜30メートル以上の丘陵に分布しています。年間平均気温は16度、降雨量は1600ミリ程度、春の新芽が萌える時期に霧雨の天気が続き、茶に潤いを与える雲霧がかかります。このように水が豊かで、四季の変化がはっきりしている温和な気候で栽培されています。
春茶は4回に分けて茶葉を摘み取ります。清明節(4月上旬)前の「明前茶」は一番春茶と呼ばれ、竜井茶の最高級品です。穀雨(中国では谷雨。4月下旬)前に摘み取った茶葉は雨前茶といい、二番春茶とも呼ばれます。立夏(5月上旬)に三番春茶を摘み取り、四番春茶は三番春茶の1カ月後に摘み取ります。更に秋茶は、6月下旬から10月上旬に摘みます。
竜井茶の伝統的製茶法は、@抓(抓む)A抖(持ち上げて振る)B搭(撃つ、たたく)C搨(落とす)D捺(押さえつける)E推(押し上げる)F扣(たたく)Gシュツ(振り捨てる)H磨(磨く)I圧(圧縮する)等の手法があります。茶葉は扁平な形で真っ直ぐ伸び、大きさはほぼ同じで蘭の花びらの形に似ています。竜井茶は深緑色、濃厚な香り、甘くてまろやかな味、雀舌の形が非常に優れているのです。
西湖周辺における茶樹の栽培は長い歴史があります。いつ誰より始められたのか定説はありませんが、唐代の陸羽が著作した『茶経』の中に「銭塘では天竺、霊隠二寺に茶を産す」との記述があります。北宋時代の蘇軾が杭州で西湖の茶樹の歴史を検証したところによれば、西湖で最初に茶樹を栽培したのは霊隠寺、下天竺寺香林洞あたりで、詩人の謝霊運が下天竺寺で仏教経典を翻訳した時に、天台山から茶樹の種を持ってきたのがきっかけだったようです。
それによると、茶の栽培が始まったのは南北朝時代で、現在まで1500年以上の歴史があるのです。清代の乾隆帝が江南杭州を巡幸した時に、竜井泉で詩を詠み、獅峰湖公廟で竜井茶を味わい、公廟の前に栽培されている18株の茶樹を「御茶」として封じました。それから竜井茶は皇帝の献上品とされたのです。
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