▽昨年の冬、作家の莫言さん(映画『紅いコーリャン』の原作者)が北海道を訪ね、中国人文筆家として観光・視察しました。また、北海道へ強制連行され、その後、長期にわたって山中を逃げ続けようやく生還した同郷の故・劉連仁さんを偲びました。これに同行した『北海道新聞』記者の佐々木学さんが、莫言さんの日本での活動と感想を記してくれました。
▽河南省には、ある農民一家が三世代にわたって戦争で負傷した一人の日本兵を引き取って助けたという話があります。本誌記者は当地に赴いて取材しました。当時の負傷兵もすでに帰国し、彼を助けた農民父子もこの世を去っていましたが、農民の家族や村の人々がその感動的な話を語ってくれました。戦争がもたらした苦しみは大きなものですが、このような普通の農民の素朴な人情が、生命の意義と平和の希望を感じさせてくれます。
▽戦時中、中国の農民は多くの苦難を被り、戦後も長い間、水準の低い生活を送っていました。現在、改革開放政策の恩恵のもと多くの農民の生活は改善されてきています。「十三億の生活革命」では、農村で起こり都市住民の生活にも影響を与えている「緑色革命」を紹介しました。
▽中国人の生活は変化していますが、変わらないものもあります。今年の春節は全国範囲で帰省人数が新記録を打ち立てました。携帯電話でメッセージを送ったり、一家でレストランに集まって年越しを祝うのが最近の春節の流行ですが、東洋人特有の血縁関係を重視する文化・伝統は変わりません。「祭りの歳時記」では「清明節」を通して中国人の精神世界を紹介しました。(編集長 王衆一)
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