昨年は豊作で、喜びにあふれていた安徽省の農民5000万人に、また吉報が飛び込んできた。同省が、農業税の全面的免除を公表したのだ。葛美和さん(67歳)は「ここ三年、税金や農業にかかる費用が軽減してきていました。今年はいよいよ農業税が免除です。私たちはさらに農業に励みます!」とうれしそうだ。
昨年公布された「1号文件」(中国共産党中央委員会・国務院が通達するもっとも重要な政令)は、農業税の減免や補助金を直接支給するなどの政策によって、農民の生産に対する積極性を向上させた。また、天候も良かったため、全国の穀物総生産量は4695億キロ、前年と比べると9%増加した。農民の年間純収入は一人あたり2936元、前年より6.8%増加した。これは、1997年以来もっとも高い伸び率だった。
農民の収入は増えたが、やはりまだ相当低い。農業への投資不足と基盤の脆弱さは相変わらずで、農村経済の発展が滞っていることは明らかだ。
そこで、今年再び「三農」(農業・農村・農民)支援を「一号文件」の重要課題とし、『農村活動をさらに強化し、農業の総合能力を向上させる若干の政策に関する意見』を公布し、27カ条の優遇政策を掲げた。農業税の免除範囲をさらに拡大し、それに力を入れることが主となる。
現在、25の省や自治区、直轄市で農業税が免除されている。温家宝総理が1年前に約束した「5年以内に農業税を廃止する」という目標は、2〜3年早めに実現されそうだ。
今年はまた、穀物を栽培する農民への補助が増え、国の財政はますます農村に傾いている。農村の交通や通信などのインフラ建設や農民の教育に力を入れるほか、村民の自治制度を健全化し、経済利益と民主権利を保障する。
2年連続で「三農」問題の解決を「1号文件」に書き入れたことは、国が農業の発展と農民の増収を重視していることを示している。また同時に、これまで農業による蓄積で発展してきた工業が、その恩に報いるときがやって来たことを表している。
|