韓再芬さんは、有名な地方劇「黄梅戯」の看板役者だ。現代史では厳鳳英、馬蘭という著名な役者が黄梅戯を盛んにしてきた。そのため、黄梅戯の第二のふるさと安徽省で、人々から「梅開三度」(梅が三度開く)と呼ばれる彼女は、知らない人がないほどの名優なのである。
湖北省の黄梅に生まれ、安徽省の安慶で形づくられた黄梅戯は、中国の伝統的な地方劇だ。民謡のおもむきのある豊かな歌唱と、生き生きとした姿態の踊りは、広範な人々から愛されている。とりわけ七仙女が下界に降りたち、董永と結婚する物語の『天仙配』は、多くの人たちが一節、二節は歌えるほどに有名である。
彼女は11歳のころ、ふるさと安慶にある黄梅戯の劇団に採用された。
12歳で学芸をはじめ、14歳で初舞台に立ち、16歳で連続テレビドラマの『鄭小コウ』に主演して、その名をあげた。現在、30代である彼女は、安徽省戯劇家協会の副主席を務めている。また、前後して中国戯劇の「梅花賞」、大衆テレビの「金鷹賞」、中国映画の「金鶏賞」「華表賞」などの芸術界における最高の栄誉に輝いている。
ここ数年、観客離れの進む伝統戯劇の難しい状況を何とか打開しようと、彼女はつねにその改革にとりくんできた。
現代黄梅戯の『徽州女人』『公司』(会社)などを企画・製作、主演して、人気を博した。
また、黄梅戯の舞台以外の芸術表現、たとえば戯曲映画、テレビドラマ、コント、新劇などにも参加している。ドラマの『走向共和』(共和ヘの道)では、袁世凱の夫人を演じて好評だった。「私はほかの芸術分野から栄養を吸収したいのです。黄梅戯のために新しい発展の世界を切り開く――それが私たち当代の役者の責任なのです」。韓さんのゆるぎない信念であろう。(写真=馮進 文=侯若虹)
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