エンターテインメント&ブック

映画 『破釜沈舟』


監督・衛翰韜、ケイ樹民 出演・胡軍、楊恭如、呉倩蓮

 

 映画『破釜沈舟』は、歴史上、有名な戦役「巨鹿の戦」に材を取った作品だ。秦王朝の総大将・章邯は、兵を率いて項梁(項羽の叔父)の軍隊と対戦し、項梁軍を打ち負かした。項羽は、叔父のかたきを打つことを決意する。

 まもなく章邯軍は趙国に攻め入り、項羽は楚軍を率いて趙国を支援した。巨鹿に着くと、項羽は敵軍の規模が味方よりはるかに勝っていることを知った。そのため、兵を率いて黄河を渡った後、(味方の)鍋をすべて壊し、船を沈めて、兵士に3日間だけの食料を与え、敵を迎えた。決して後退しないという、章邯との決死戦の覚悟を示したのである。

 英雄物語では、必ずヒーローが賞賛される。ましてや、項羽のような悲劇の英雄ならなおさらだ。歴史上、項羽は敗戦者であり、劉邦が真の勝者だ。しかし、伝統戯曲や現代映画・テレビにおいては、項羽が真の英雄であるという見方がある。

 本作品で項羽を演じる胡軍は、こう語る。「項羽は勇猛果敢で戦に長けているが、単純で剛直、陰謀や戦略を見下している。また、項羽と虞姫の死んでも変わらぬ愛により、現代人は彼に同情と親しみをよせている」

 『破釜沈舟』が各地でプレミア上映された際、京劇、滬劇、粤劇、川劇の戯曲の一幕もそこで披露され、観客たちの高い関心を集めていた。(写真提供・新浪娯楽)

テレビドラマ
『双響炮』(全40回)

ディレクター・伍宗徳  主演・胡兵、陳好

 

 美容師になったばかりの殷雄は、思いもよらない事故から、呂霞という女性と知りあう。呂霞とその母親は、殷雄に彼女たちの面倒をみるようにと求める。しかも、殷雄が他の女性と接するのを邪魔するのである。それが彼には耐えられなかった。呂霞親子から離れたいと思うのだが、いつも呂霞に「征服」される。1話1話が興味あふれる生活コメディー。

 『双響炮』は、著名な漫画家・朱徳庸の同名4コマ漫画を改編したもの。原作は、弱い男と強い女というある中年夫婦の結婚の危機と、生活の悩みを描いている。ドラマでは、彼らの若いころに時代を移し、胡兵、陳好らアイドルを起用、より現代的な物語にして、若者たちの人気を得ている。

 男、女、愛情、結婚、家庭は、朱徳庸漫画の一貫したテーマであり、風刺や嘲笑は、朱徳庸の都会的なライフスタイル。テレビドラマ『双響炮』は、原作の持ち味を再現し、生活の悩みや趣というプロットを大げさに描いて、視聴者の好評を博している。(写真提供・中国音像商務ネット)

ベストセラー

 

ロバート・ローレンス・クーン著(米) 談崢など・訳
『他改変了中国:江沢民伝』(彼が中国を変えた:江沢民伝)

 

 本書は、江沢民氏の人生における軌跡を紹介し、とりわけ彼が中国の最高指導者を務めた10年あまりの功績について詳述、評価している。その国家公務の内容に重きをおくとともに、江沢民氏の家庭生活、趣味、人柄などの各方面にわたり、多角的、多面的に彼の人となりを明らかにしている。

 作者のロバート・クーン氏は、著名な国際投資家であり、企業戦略家、またアメリカの公共ラジオ局のキャスターでもある。長期にわたり、一貫して中国や江沢民氏に関心をよせ、その親族、友人、政務担当者らスタッフたちを綿密に取材、ナマの資料を手に入れて、この本を書きあげた。

 作者は、中国の国情、歴史、伝統文化に非常に詳しい。本書を読んで、江沢民氏を理解するとともに、この80年近くにわたる中国社会の移り変わりを知ることができるだろう。
(世紀出版集団、上海訳文出版社)

范穏・著
 『水乳大地』

 

 カワコボ雪山のふもとのある峡谷で、この物語は起こる。そこには代々、チベット族とナシ族の住民たちが暮らしていた。

 ある日、2人のキリスト教の宣教師がやってきて、この地の平和と静けさを打ち破る。彼らの夢は、住民一人ひとりにキリスト教を布教すること。そこで、彼らは地元の土司(旧時の少数民族の首長)や漢民族の管理者に、火縄銃と銀貨の賄賂をつかって、教会を建て、チベット仏教の高僧たちに教義の弁明をしはじめる。

 宣教師たちの行動は、地元の人々に大きな動揺をもたらした。こうして、雪山のふもとで、キリスト教とチベット仏教、東巴(トンパ)教の、100年近くにもおよぶ衝突と融和がはじまるのである。そして、こうした文明の衝突に伴って、人々の信仰と行動にも、大きな変化が訪れる……。

 中国版『百年の孤独』という呼び声も高い。読後に、深い感動を覚えることだろう。(人民文学出版社)

孫建華・編 
『漫歩中国主題旅遊指南叢書』 (中国を歩くテーマ旅行指南シリーズ)

 

 中国の観光レジャーと休日の消費市場が発展するにつれて、観光サービス関連の本がぞくぞくと出版されている。これは、読者が中国の観光資源を、全面的かつ深く知るのに役立つシリーズ本である。

 自然と文化の2大観光資源に着眼し、歴史都市、世界遺産、有名人とゆかりのある土地など24の観光テーマに分けて、2000以上もの中国の名勝や観光スポットをおもに紹介している。

 内容が豊富で、資料が詳細・確実であるほか、ミニサイズの装丁にして、多くの美しい写真を収めているのも、このシリーズのポイントだ。中国旅行を愛する人にとって、必携のシリーズ本だ。(中国社会科学出版社)

『人民中国』おすすめのベストテン

1.『中国民間文化芸術叢書』葉文程、羅立華・著 河北少年児童出版社

2.『中国少数民族風情遊叢書』     中国水利水電出版社

3.『石榴樹上結桜桃』 李ジ 著     江蘇文芸出版社

4.『肚大能容:中国飲食文化散記』 逮耀東・著 生活・読書・新知三聯出版社

5.『黄河青山』 黄仁宇・著     生活・読書・新知三聯出版社

6.『正説清朝十二帝』 閻崇年・著     中華書局

7.『牛棚雑憶』 季羨林・著     中共中央党校出版社

8.『走進長江源』 劉連喜など・著     海南出版社

9.『老北京胡同観賞図』 老楽・監修     栄宝斎出版社

10.『李叔同説仏』 李叔同・著、豊子ガイ・挿絵     陝西師範大学出版社

 

  本社:中国北京西城区車公荘大街3号
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