「大連女子騎警隊」は、中国で唯一の女子による騎馬警官隊だ。さっそうとした姿の女子騎警隊が街頭を行進するとき、大連市はパッと明るくなるような光景になる。馬瑩瑩さんは、その騎警隊の隊員だ。
実演、パトロール、トレーニングと、彼女は毎日、馬といっしょだ。「馬は私のパートナー。毎朝、馬小屋に行くと、まだ門をくぐっていないのに、馬が私の足音を聞いて遠くから鳴き出すんですよ」
あるとき、馬瑩瑩さんの両親が、彼女を訪ねてやってきた。喜びいさんで両親を馬小屋につれていった馬瑩瑩さんは、自分の馬を指差して「見て! これが私の弟よ」と言った。彼女の父親は、笑いながら答えたという。「へえ、いつ私にこんな子どもができたんだい?」。帰宅するたびに、彼女はたくさんのニンジンを抱えて騎警隊に戻ってくる。この良きパートナーに、ニンジンを与えてねぎらうのである。
昨年のある週末のこと。馬瑩瑩さんの馬が突然、病気にかかった。彼女は急いで自宅から騎警隊へと戻り、朝八時からずっと馬のそばにつきそった。馬の苦痛をまぎらすために、翌日の深夜二時まで、馬を引いて行ったり来たりして歩いたのである。しかし、そんな介抱のかいもなく馬は病死。彼女は、何日も心を痛めていたという。今でもこの話になると、つらさを隠しきれないようすである。
「馬とつきあって四年になりますが、大切なのは、人と同じように馬たちと接することです。それを、ここで会得しました」。そう彼女は、前向きに話している。
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