チャイナスコープ
連戦氏と宋楚瑜氏が大陸を訪問
動き出す両岸関係の新時代
 
                                       張春侠=文

 今春もっとも注目を集めたのは、台湾の二大野党である中国国民党の連戦主席と親民党の宋楚瑜主席の大陸訪問だろう。

連戦氏が率いる国民党の訪問団は4月26日から5月3日、8日間の「平和の旅」を行った。まずは南京市の中山陵(孫文の陵)を参拝し、その後、博愛広場で海峡両岸(中国の大陸部と台湾)の同胞に「我々はともに革命の先駆者の後を追い、強い国家建設に奮起して、意気揚々とした中国人となろう」と呼びかけた。

 また、西安を訪問し、母校である後宰門小学校を訪れたり、祖母の墓参りをしたりした。秦始皇帝陵の兵馬俑博物館では、「秦の兵馬俑に遊んで万民を憂え、海峡を跨いで共に利益を得よう」という言葉を書いた。

 連戦氏に続いて宋楚瑜氏も大陸を訪問し、まずは軒轅黄帝陵(中華民族の始祖の陵)に赴いて、根源を忘れなければ、両岸は和解の扉を再び開くことができ、中華復興の新しいきっかけを作ることができると述べた。その後、やはり中山陵を参拝し、87歳の母親を連れて故郷の湖南省湘潭を訪問した。

 両氏が大陸を訪問した際、胡錦涛主席はそれぞれと正式な会談を行なった。そして、両岸関係の発展の促進や党間の交流と対話の強化について、重要な共通認識に至った。胡錦涛主席は、一つの中国という原則を一貫して堅持し、平和統一を勝ち取るための努力を決してやめず、「台湾独立」を計らう人の分裂行動に断固として反対すると重ねて表明した。また、「共通点を求め、異なる点を認める」という姿勢で、一日も早く両岸の平等な対話を回復させ、両岸の経済交流や合作の新しい局面を打ち立てなければならないとの見解を示した。

 宋楚瑜氏が大陸を離れる際、大陸側は、台湾同胞が関心を持っている農産物の大陸輸出や両岸の人の往来、外国人料金である台湾留学生の学費・就業などの問題を積極的に解決するために、実務措置を取ることを決めた。

 台湾二大野党トップの相次いだ大陸訪問は、1998年から続いていた両岸のこう着状態を打開し、和解や合作のムードを築いただけでなく、双方の交流や往来を促進した。さらに、両岸関係が引き続き平和で安定し、順調に発展するための良好な基礎を打ち立てた。



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