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中国国家博物館 |
フランスの建築士が設計した新しい首都博物館が完成した。この美しい博物館には重さ40トンの清・乾隆帝の御筆の石碑が収められ、ここの目玉となる。
博物館は記憶の収蔵庫と言えるだろう。1949年に中華人民共和国が誕生した際、国家の指導者は国の文化系列を新たにまとめ、陳列する必要があると考えた。博物館とは、こうした役割を担っているのだ。
天安門広場の東側にある中国国家博物館には、文化と政治という2つの面から、中華民族の歴史とそのシンボルとなる文化的物証が陳列されている。博物館の正面には、人々が自由に散策する天安門広場があり、その向こうには国家の重要な政策・方針を決定する人民大会堂があり、今まさに、歴史が形成されている。
北京の博物館はすでに100館を超えた。これらの博物館は、文化の中心であるこの都市の記憶となっている。国家クラスの中国国家博物館と故宮博物院を除くと、北京の博物館は大きく4種類に分けることができる。
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郭沫若記念館 |
一つ目は歴史上の人物の記念館。毛沢東記念堂、魯迅博物館、宋慶齢故居、郭沫若故居、梅蘭芳記念館などがこれにあたる。私は阜城門内大街の魯迅博物館で、彼の文章にある「一本は棗の木である。もう一本も棗の木である」(散文詩集『野草』の一編『秋夜』の一文)の場所を見つけ、書籍を入れたいくつかの大きな木箱を目にした。
郭沫若故居はかつての慶王府(清朝の皇族の邸宅)で、庭に築山がある大きな屋敷である。1992年に北京へやって来たばかりの頃、近くに住んでいた私は、よくその庭にある石の腰掛けに座り、詩を詠んだものだ。宋慶齢故居は最大の屋敷で什刹海の北岸にあり、庭が広くてとても静かである。茅盾と老舎の故居は簡素ですっかり古くなってしまったので、修繕や保護が必要だ。
二つ目は専門博物館。中国美術館、軍事博物館、自然博物館、中国映画博物館などがこれにあたる。この他に、石刻、古代建築、古代貨幣、石経、切手などの専門博物館もある。これらはある専門分野の集大成であり、見学すれば、専門知識を手っ取り早く身に付けることができる。
数千万年の歴史を経てきた農耕文明の流れを展示している農業展覧館から出ると、目の前には移り変わりの激しい世界が広がる。この種の博物館は北京観光にはもってこいの場所だ。静寂な環境の中、見識を増やすことができ、気分が静まる。落ち着きのないにぎやかな都市のオアシスと言える。
三つ目は陵園や寺院、王府の博物館。明の十三陵博物館、白塔寺、雍和宮、周口店遺跡博物館、恭王府花園などがこれにあたる。皇室の陵墓、仏教やラマ教、旧人類――古建築、旧王府などで、伝統文化の息吹に満ち溢れている。
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北京自然博物館 |
四つ目は歴史事件の博物館。中国人民抗日戦争記念館、焦荘戸地下道戦遺跡記念館、盧溝橋史料陳列館などがこれにあたる。歴史の断片によって、沈痛で激動の近現代史の記憶を保存している。
ここ2、3年、北京には個人博物館が出現し始めた。収集家の馬未都さんが設立した古代家具博物館などがこれにあたる。個人博物館は一般的に規模が小さく、より専門的だ。この種の博物館は経営性が強く、コレクションや展覧と交易を兼ねている。
博物館は都市の記憶媒体であり、歴史の遺跡や物証が集まる場所だ。私たちが博物館を設立するのは、過去を記念し、歴史を整理するためである。文化を記憶し、自分達はどのような人で、どこから来て、どこへ行くのかを知るためである。博物館では民族の歴史の中で創造された文明の大きな成果を見ることができ、その知恵と文化創造力を知ることができる。それによって、自国に対して強いアイデンティティを感じ、未来に対してさらに自信が持てる。
首都である北京では、百館以上の博物館が中華民族の輝かしい歴史文化とその根源となっている。首都に博物館を設立するのは、国家文明の座標軸を確立し、国家や民族文化の成長の自信と壮志を示すためである。博物館は北京観光にはもってこいの場所の一つだ。文化の薫りが濃厚に漂い、この都市の魅力の所在となっている。
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