▽今年は、中国にとっても日本にとっても節目の年です。20世紀最後の世界大戦終結60周年かつバンドン会議50周年なのです。第二次世界大戦の終結はアジア諸国にとって、ファシズムや軍国主義が歴史的に否定され、帝国主義や植民地主義の支配から相次いで独立を勝ち取ったという二重の意義があります。戦争終結は中国人民だけでなく、日本人民にとっても勝利と解放の原点となり、10年後に開かれたバンドン会議は、アジア諸国の独立と団結のシンボルになりました。
▽特集は、戦後中日関係の原点となる「葫蘆島からの引き揚げ」と草の根の交流から始まる「人と人が築く中日友好」という2つの部分から構成されています。憎しみを乗り越えて、平和友好を旗印に培われた中日関係の60年を振り返りました。14ページではこの60年の全貌を反映しきれませんが、それぞれ視点が違う八人の話から、中国人の主流の声が伺えるではないかと思います。
▽麻生晴一郎氏は新しい世代の日本人です。中国でさまざまな草の根の交流を通して、中国理解を深めています。彼が寄稿してくれた「『朋友』との出会い」に、私はとても感動し、中日の未来に対してよりいっそうの自信を得ることができました。
▽作家・邱華棟氏は「北京ウォッチング」の中で、国民の記憶という問題を取り上げています。中国人の歴史観の理解に役立てば幸いです。
▽「温故知新」という言葉があるように、今月号の編集で歴史を回顧することにより、教訓や知恵をたくさん学びました。中日の未来への示唆も、今月号から得ることができるよう願っています。
(編集長 王衆一)
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