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靖国神社の石灯籠にはめ込まれたレリーフの一つ。このようなレリーフは被害国の人々の心を傷つけはしまいか。
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「靖国神社の入り口には2つの石灯籠があり、16枚の青銅版のレリーフがはめ込まれています。その大部分は中国に関係したもので、旧日本軍の台湾占拠や東北部占領の場面を描いています。私の心が特に痛んだのは、日本兵が長城の上で銃を上げて歓呼している姿を見たときです」と日本在住の青年・王立峰さんは語る。
中国ではほとんど全ての人が、靖国神社について王さんと同じように感じている。
日本にはたくさんの神社があるが、靖国神社は他の神社とは異なり、明治維新以来の戦没者、246万人が祀られている。その中の大多数は、日本の度重なる侵略戦争における戦死者だ。
第二次世界大戦中、東条英機など28人のA級戦犯が起こした侵略戦争は、アジアの人々に大きな災禍をもたらした。彼らの戦争における犯罪行為は、当然のことながら極東国際軍事裁判によって正しい審判を受けた。だからこそ、1978年に東条英機をはじめとする14人のA級戦犯が「国家のために身を捧げた者」として靖国神社に合祀されてから、日本政府の要人が参拝するたびに、中国や韓国などアジアの被害国から、強い抗議や憤りの声が上がるのだ。
日本の一部の人は、このような抗議は「内政干渉」であるとか「日本の伝統文化を尊重していない」とみなしているが、被害国からすれば、一般の国民が靖国神社へ行って戦死した身内を追悼し、平和を願うことは理解できる。しかし首相の参拝は、一個人の行為とは決して言えず、侵略の歴史に対する肯定である。なぜなら、合祀されている戦犯の犯罪行為は、日本国内ではなく、中国やアジアの他の国家で行われたのだ。よって、日本の「内政」だと単純にみなすことはできない。さらに、首相が靖国へ参拝するのは、日本憲法の「政教分離」の原則にも違反している。
「日本が何度謝れば、中国は満足するのだ」という人もいるが、被害国側から言わせれば、口先の謝罪だけではなく、重要なのは実際の行動に移すことなのである。
中国政府は、中国はこれまで、侵略戦争を始めた極少数の軍国主義者と多くの日本人民を同一視したことはなく、今の日本人に当時の罪をかぶせようとしているのでは決してないと何度も強調している。大切なのは歴史を正視することだ。歴史を鑑としてこそ、平和な未来が築けるのである。
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