周茜さんは中日合弁の運送会社、OCS―SINOTRANS(シノトランス)の副総経理だ。朗らかでテキパキとした彼女は、初対面でもすぐに打ち解けることができる不思議な魅力を持っている。
同社は1996年に設立。その業績はすでに、同業者のなかでもトップクラスだ。
周茜さんは89年、日本経済を専攻し、吉林大学大学院を卒業。学友たちが就職を学校側の手配に任せていたとき、彼女はひとり北京へ赴き仕事を探した。そのやる気と積極性は、人材を募集していた多くの会社の賞賛を浴びた。そして彼女は、中国対外貿易運輸総公司を就職先に選んだのである。「チャレンジできる仕事が好きなのです。私の長所を、より伸ばすことができるから」と言う。
96年に、OCS―SINOTRANSの設立準備をスタート。合弁会社の役員としては、いかに日本の投資側と意思疎通をはかり、中国の国情を理解してもらうかが重要な仕事だった。当初は日本側の管理者が、中国人スタッフに「毎日、笑顔でサービスすること」を強く求めた。しかし、一部のスタッフたちが「笑顔」に慣れず、日本側も困っていた。
周茜さんは、日本側に「中日両国の文化背景が違うこと」を説明した。社会保障の面においても、中国は日本といくらかの開きがある。スタッフの家庭や個人の問題についても配慮しなければならず、日本側の要求するレベルまで上げるには時間がかかる――などなど。周茜さんが意思疎通をはかったことで、日本側の管理者と中国人スタッフとの関係も、スタッフのサービス・レベルも、しだいに良くなっていった。
彼女と部下たちの努力によって、事業も日増しに伸びている。今年の営業実績は、すでに目標とした1億2000万元(1元は約14円)に達している。発展過程をふりかえり、周茜さんは感慨深げにこう語る。「よい業績を上げることは、中日両国の経済貿易がたえず発展していることと関係がある。中日経済貿易の健全でスピーディーな発展に、最も感謝しなければなりません」
写真=馮進 文=王浩
|