「ともに築こう、平和と繁栄」をテーマにした中日両国人民の友好写真集出版を記念して、大型写真展が、東京・六本木ヒルズ五十二階の大展望台東京シティービューで7月28日から8月7日まで開催され、連日、千人以上の観客で賑わった。
この写真展は、中日両国の今年の重要な交流活動の一つで、どの写真にも、中国と日本の友好の気持ちが溢れ、観客の深い感動を呼んだ。
歴史を全体として見よう
今年は中日戦争が終結して60周年に当たる。この時期にこうした写真展を開催するのは、特別な意義を持っている。中国国務院新聞弁公室の趙啓正主任は、開幕式前に開かれた記者会見でこう述べた。
「中国にも日本にも、『歴史を鑑とする』という言い方があり、これは歴史を正視するということです。しかし中日の歴史はただ単に戦争の歴史だけではありません。2000年以上の長い友好の歴史があるのです。だから、全面的に中日関係を取り扱うことによってのみ、正確に判断することができるのです」
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ブロック(左1) 開幕式に出席した、右から趙啓正主任、王毅中国大使、蔡名照副主任、周明偉CEO(左2)趙啓正主任の案内で参観する河野洋平・衆院議長(右)ら(右1)王毅大使(左端)と周明偉・執行総裁(右端)の案内で展示を見る河野洋平・衆院議長(中央左)と橋本龍太郎元首相(中央右)(右2)周明偉・中国国際出版集団CEOの説明を聴く川口順子首相補佐官(外交担当) |
趙主任はさらに、戦後60年の間に、中日両国で多くの感動的な物語があったが、これを両国人民、とりわけ若い人たちに分かち与えなければならない、現在、中日間には一部、困難が出現しているが、中日関係の中から積極的な要素を掘り起こさなければならない、と指摘した。
この写真展には120枚以上の写真が展示されている。その中でもっとも感動的なのは、ヒューマンストーリーである。例えば、魯迅と内山書店の付き合い、沈没した日本の『阿波丸』を中国政府が引き揚げた話、中国・河南省の農民、孫保傑一家が日本の負傷兵、石田東四郎さんを46年間にわたって養ったこと、日本の遠山正瑛教授が中国・内蒙古で植林し、砂を治め、亡くなった後には、遺骨を中国に埋めたこと……これを観た多くの人々は、深く感動していた。
国務院新聞弁公室の蔡名照副主任によると、この写真集と写真展の準備のため、企画チームが今年1月から、中国各地を走り回って写真を集めた。同時に、多くの熱心な日本の友人が、この写真集のために、数十年も保管していた貴重な写真を送ってくれた。
山のような写真の中から、260枚が選ばれた。その中の約40枚は、初めて公開される貴重なものである。展示された写真は、日本にそのまま残り、可能であれば、日本各地で引き続き展示される。また、中国語版の写真集は、印刷がすでに始まっていて、中国各省市で、宣伝、普及活動が展開されることになっているという。
和気あいあいとした開幕
この写真展のイメージ・キャラクターとして、香港の有名な映画スターのジャッキー・チェンと日本の卓球選手の福原愛ちゃんが、開会当日、会場に姿を現した。この企画はなかなかの思いつきで、二人の好感度は高く、会場の雰囲気は、二人の登場で最高潮に達した。
愛ちゃんは、きれいな中国語で「我出生在日本、我愛我的国家、我在中国打球、我也很愛中国」(私は日本に生まれ、日本の国を愛しています。私は中国で卓球をしていて、中国も大変愛しています)と挨拶し、来賓たちの笑いを誘った。
愛ちゃんはいま、中国の遼寧卓球クラブに所属し、遼寧を代表して中国卓球のスーパーリーグに参加している。試合の模様は中国のテレビで中継され、視聴者は「瀬戸物で作ったお人形さん」と呼ばれるこの日本の少女が大好きだ。彼女の加盟で、遼寧卓球クラブも大いに注目されるようになった。
開幕当日、展示を見終わった一人の日本の女性が非常に感動して、係員にこの写真集の買い方を尋ねていた。この女性は、展示された写真の中に自分の姿が映っているのだという。「私は中国へ行って多くの活動に参加してきましたが、展示写真の中に自分がいるとはまったく思いもよりませんでした。本当にうれしい」と彼女は言った。
「姑蘇城外寒山寺 夜半鐘声到客船」の詩で有名な中国千年の古刹、蘇州の寒山寺。その寒山寺住職の秋爽大師も会場にやって来た。そして開幕式では、中日両国の平和と幸福を祈求する「吉祥の鐘」を撞き鳴らした。
多くの来賓が秋爽大師を囲んで、彼に「一筆書いてほしい」と頼み、秋爽大師はこころよく揮毫に応じていた。東京に住んでいるという女性は、秋爽大師から「福寿康寧」と書いてもらい、「この字は幸運を運んでくれる。しっかりしまっておかなくちゃ」と大喜びだった。
写真展の期間中、観客の多くは、自分の感想を書き残した。千葉県柏市からきた高橋雪枝さんはこう書いた。
「古くからの沢山の写真、拝見しました。日中友好の長い歴史、これからも永遠に続けていけたら幸せに思います」
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